香川県の善通寺市へ行ってきました。
ここは空海(弘法大師)の生誕地で 善通寺の門前町です。
 
  寺名を標榜する市
  寺名を標榜する市というのは 全国でもそう多くなく
東京の国分寺市 大阪の藤井寺市 香川の観音寺市と善通寺市が思い浮かびますが
「市名が寺名を称するほどだから 寺は余程大きい存在なのだろう」と思うわけです。
ならば人口が最も少ない町が面白いかもしれない 
そう考えて善通寺市を初めて訪問地に選びました。
市の玄関口となるのは 土讃線の善通寺駅 
市だけに特急列車はすべて停まりますし 隣の琴平までは
電化され列車本数も多いのでさほど不便な所ではありません。
駅前はコンビニやホテル 銀行などが見当らず 
本州なら人口1万人程度の「町」みたいな所。
 駅前から善通寺の間は 片原町通りで 市役所や市民会館 大学などがありました。

 善通寺市は、中世には足利氏、近世には高松松平家や丸亀京極家の庇護を受けて栄えた所です。
明治に入ると帝国陸軍の師団が置かれ軍都として発展、今は陸上自衛隊善通寺駐屯地があります。
 また香川県で善通寺は学都的な存在で 四国学院大学や 高校野球の強豪である尽誠学園 香川短大付属女子高、
善通寺一高、善通寺西高があり、さらには警察学校や看護専門学校が揃っています。
善通寺市役所 四国学院大学 本郷通り 元々は活気があったのでは
 
 片原町通りと直交するのが大通りで アーケードが施され
善通寺市で最も繁華な所と思われます。
近年の郊外型ショッピングモールの発展で こちらも沈滞化しているようですが(若者が殆ど歩いていない)
鳥取県境港市の中心街に雰囲気が酷似しており(人口規模も近接しています)
ああこのあたりから門前町だね と興味深く歩かせて頂きました。
 ここからが善通寺の門前町 赤門筋となります
善通寺の赤門につながるので この名がありますが
所々に昔懐かしい雰囲気も残り 散策には絶好です。

 右写真は 銀杏並木が美しい“ゆうゆうロード”
市内には四国八十八カ所霊場が5ヵ所もありますから 
遍路の姿も見かけます。 善通寺南大門の前に辿り着きました。
 門前に果物屋があり(上写真の左手) 善通寺名物の四角いスイカは何処にあるのか尋ねたら
あれは中央に送られるもので また、食べるものではないのですよ」との事。
私の旅の姿勢は「貴市には興味があるのですよ」と賛同的精神を前面に押し出して 
良い思い出を作ろうというものですが 皆さんは如何ですか?
  総本山善通寺
 善通寺は、屏風浦五岳山誕生院といい 真言宗善通寺派の総本山です。
東院と西院に分かれますが まずは東院から見学してみました。
 南大門は総本山善通寺の正門にあたる門で 私達もやはり
ここから入場しました。1558年の兵火で 一度焼失しましたが 
1904年開戦の日露戦役戦捷記念として再建されました。
山号の五岳山は、香色山・筆山・我拝師山・中山・火上山
の5つの山の麓(ふもと)にあることから命名されました。
 寺の創建は大同2年(807年)唐から帰った空海が 長安(現在の中国・西安)の青龍寺を手本に 弘仁4年(813年)まで 6年の歳月をかけて建立しました。

 父の名(佐伯善通)に因んで善通寺と名付けられ 真言宗最初の根本道場です。五重塔は善通寺市のシンボルとなっています。

創建当初は、金堂・大塔・講堂など15の堂宇だったようです。

 高野山金剛峯寺 京都の教王護国寺とともに弘法太師三大霊場跡に数えられています。
本尊は薬師如来。四国八十八箇所霊場の第七十五番札所。
 寺名は市名となっているだけに境内は広大で 総面積は45,000u 東院西院に分かれ 東院には金堂や五重塔があります。
西院は誕生院とも云われ 御影堂があり 全長100mの暗闇を手探りで進む戒壇廻りが出来ます。 

 広々とした空間の中に 弘法大師にまつわる様々な史跡が残されていました。
五重塔の対面には弘法大師誕生の頃からの大楠があります。
根元に祭る社殿は 善通寺領の氏神を祭る後五社明神社です。

金堂(左写真)
 大師創建の堂は永録の大火で焼失し 現在の建物は貞亨2年(1685)に再建されました。
本尊薬師如来は運長の作と伝えられています。
 弘法大師(空海)は、宗教の世界ばかりではなく 日本で初めて庶民の為の学校(綜芸種智院)を作り かな文字を発明したり ため池(漫濃池)の土木工事 その他 建築 鉱業 自然科学 医学 文学など 幅広い活躍を見せ 後世に大きな影響を与えたと言われています。

 創建1200年を経た善通寺、歴史の風格を感じます。
東院の中央 鐘楼と金堂方面を望む 赤門 (善通寺の最も東側に当たる) 赤門の外より 釈迦堂と五重塔

 西院の方に向かいます
西院には御影堂 聖霊殿 地蔵堂 護摩堂 表書院 本坊などが立ち並んでいます。
  こちらの回廊の向こうには御影堂があります
 御影堂の周囲は弘法大師の母(玉寄御前)の御殿があった場所とされており
大師誕生の霊跡となっています。
 善通寺空海まつりは 11月3日ですので それに合わせて
善通寺を訪ねられても良いかもしれません。


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