香川県高松市の屋島に行ってきました。
 南北5キロメートル、東西2キロメートルの ほぼ陸続きの島は
花崗岩の基盤の上に乗った輝石安山岩からなる溶岩台地となっています。
 瀬戸内海国立公園に指定され 山上からの瀬戸内海の眺めは素晴らしく
香川県の観光地となっています。
 屋島という名称は 屋根状の平らな山に由来しますが、
その独特の景観を見る度にああ高松に来たんだな”と感じますよね。
  屋島の歴史
 「屋島」の歴史は古く、天智6年(667年)天智天皇が築いた
古代山城「屋嶋城」や 天平勝宝6年(754年)鑑真によって開創した屋島寺などが残っています。
 また 寿永3年(1184年)に 一の谷の戦いに破れた平宗盛らが
安徳天皇を奉じて根拠としており、 麓の檀ノ浦は 翌年 1185年3月22日(旧暦:元暦2年/寿永4年2月19日) 源平合戦「屋島の戦い」の舞台となった有名な古戦場で、 源氏の那須与一が 平氏方の軍船に掲げられた扇の的を射抜いた話は 後に平家物語でも描かれるなどで 知っている人も多いのではないでしょうか。
屋島といえば源平合戦
  屋島山上を周遊
 屋島は、1934年(昭和9年)11月、国の天然記念物指定と史跡に同時に指定されました。

 北嶺と南嶺に分かれ、標高は南嶺292.1m、北嶺281mです。
 観光客が行きやすく ポピュラーな見所の多いことで知られる南嶺の山上には 四国八十八箇所第84番札所の屋島寺や、新屋島水族館、屋嶋城跡があり、獅子霊巌からの、瀬戸内海、高松市街地の眺望など美しい事で知られます。
 屋島山麓の屋島、古高松地区からは、細長い屋島の断面を見るような構図になります。(写真右)
頂上付近の崖がむき出しになっており 高松市民が屋島を日常的に見る平べったい景観と大きく異なっています。

 屋島山上に車で上る際は 屋島ドライブウェイを経由する事になります。有料道路ですが展望性に優れた道路です。
私のBlogで動画付きで紹介していますのでご確認下さい。

 以前は琴電屋島駅近くから山頂付近(屋島山上駅)まで、屋島ケーブルがケーブルカーを運行しており
15年程前に観光で訪ねた際は そちらを利用した事があります。
右写真にケーブルカーの軌道跡が見えるのが分りますか?
 休止した屋島ケーブルカーの代替路線として JR屋島駅から琴電屋島駅を経由し、 屋島ドライブウェイを通り屋島山上へ向かう路線バスが運行されています。
バスは片道100円 景観も良いのでお勧めします(2010/7現在)

 有料道路を上がったところに大型駐車場があり
周囲に休憩所も兼ねた土産物屋があります。
 南嶺を まずは屋島寺に向かって散策します。 
 瑠璃宝の池
 弘法大師が屋島寺伽藍を南嶺に移す時 お経と宝珠を納めて
 池にしたのですが 源平合戦で武士が血刀を洗った事に因み
 血の池と呼ばれます。
屋島寺
 屋島寺は、屋島山上にある真言宗御室派の寺院です。

四国八十八箇所霊場の第八十四番札所で 
寺伝によれば、律宗の開祖である鑑真が天平勝宝6年(754年)に当地を訪れて開創したとの事です。
後に弘法大師が本堂を建立し 四国霊場として定めました。
国重要文化財の本堂 入母屋造、本瓦葺きです。                       南側の仁王門から本堂を望む
鎌倉時代の前身堂の部材を用いて元和4年(1618年)建立されました。
 奥に位置するのが宝物館
平安時代の薬師如来坐像 源平合戦の遺物と宝物 屋島寺に伝わる宝物があります。
入館料500円 館内撮影禁止

 手前が蓑山大明神 屋島たぬきを祀っています。
佐渡の国三郎狸・淡路の芝衛狸と共に、日本三名狸の一つとなっています 。
家庭円満・縁結びに御利益があるとされ 水商売の神としても知られます。
 屋島山上商店街
  土産物店や宿泊施設が 屋島寺から獅子霊巌に向かって
 続きます。漆器、たぬきの置物(平家の滅亡後、禿狸が屋島寺
 の守護神となったためか) 瓦投げの瓦、屋島おでんなど 
 売られているのが屋島らしい
 食の名物は屋島おでん。真っ黒なダシに浸かる飯蛸おでんに
 辛子味噌を掛けて食べます。 1本300円ですが、寒い時期
 には食べたくなりますね
屋島3大展望台に 獅子霊巌 談古嶺、遊鶴亭があります。
(遊鶴亭は屋島山上駐車場より徒歩では遠いので 今回割愛しました)
獅子霊巌
南嶺の西側にあり 屋島寺から屋島商店街を抜けた所
そうした地の利の良さもあって 観光客の姿が一番多いです。
瀬戸内海、高松市街地の眺望が素晴らしいです。

獅子霊巌の謂れは2説あり
海に吠える獅子のように見えることから 
展望台の下に獅子の形をした岩があるからだとか云われます。
 源氏が勝利を祝い屋島山上から陣笠を投げたことに因んで
「かわらけ」という薄く小さな円形の素焼きの土器を投げる
「かわら投げ」というのが 屋島ならではの風物詩となっています。数枚がセットになって200円しますが(^^;)

 かわら投げをする事で 開運・厄除けになると云われますが
滞空時間・飛距離を競いながらの運試しになっているようです。
山上なので 遠投力ではなく風にうまく乗せたほうが飛びます。
獅子霊巌からの高松市街 瀬戸内海の風景
高松市中心街を ズームで望みます。

獅子霊巌から屋島山上周遊歩道を周回しました。南嶺が一周で約30分程度ですから  今考えるとレンタサイクルを利用して足を延ばしても良かったナと感じます。

屋島は古代から備讃瀬戸の交通の要であり、 海上交通&軍事上の要所として 重要な位置にあったのです。
 屋島には 標高約300mの山上にある全国でも珍しい水族館があります。

 新屋島水族館は、魚類を中心に286種類の動物を飼育しています 。イルカやアシカのショーも行われています。 2006年に運営母体が変わりリニューアルされた様子です。
 公式サイトは こちらから
 談古嶺は 南嶺の北東側にあり 檀の浦古戦場を望めます
明治30年に村雲尼が登山の際、源平合戦の史跡を聞いて
源氏の武士や平家公達たちを偲び この名が付きました。

平家軍船の泊地「舟隠し」や、映画『世界の中心で、愛をさけぶ』のロケ地となった
高松市庵治地区を望めます。
85番札所 八栗寺のある五剣山方向を望む。
   屋島と四国本土はもともと狭い海峡で隔てられていましたが、
  江戸時代の新田開発でほぼ陸続きになりました。ほぼと云うのは
  かつての海峡の名残である相引川(幅10m以下で水路に近い)で囲まれているからです。
  麓は 戦前まで塩田が多かった所です。戦後は埋め立てが進み、高松のベッドタウンとして
  人口も急増する所となりました。

高度成長期は四国屈指の観光地だった屋島ですが、瀬戸大橋開通時の賑わいを境に 観光客は減少していきました。
一度見れば充分”といった感があり(失礼) 観光機軸に乏しい事もありますが  山上は昔 観光ブームに沸いた場所であったせいか土産物店・宿泊施設が相次いで閉鎖され、事実上廃墟の様相を呈したものが点在し 悲哀を誘う気がします。
 そうはいっても 瀬戸内海国立公園に指定され 
展望が素晴らしく 源平の史蹟名所、名寺、水族館、
彩りを添える花々などがありますから 
まだ行った事ないよと言われる方には 麓の四国村と併せて 是非お薦めしたいですね。  


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