長崎県の島原半島の東側 有明海に面する島原市を訪ねました。
湧水が溢れ 歴史遺産を多く残す城下町、多くの発見がありました。
 
  島原駅を起点に.......
 諫早から国道251号線を走り、島原鉄道の島原駅の前を通りかかったので 立ち寄ってみました。
島原駅は島原市の玄関口で、島鉄沿線では最大の乗降客を誇る主要駅となります。
駅舎は島原城の大手門をモチーフにした特徴的な駅舎で味があります。
島原鉄道の駅には有人駅が少なく、まともな駅舎と呼べるものは本当に少ないですが...。
駅構内に入ると 割と普通の感じ.....
待合室・売店・コインロッカーなどがあります。 JRとの連絡乗車券も発売されています。

島原鉄道は諫早から島原半島の北岸〜東岸を経て 島原外港まで結ぶ 43.2kmの鉄道路線です。
以前はさらに島原半島南端の加津佐駅まで結ばれていましたが、2008年4月1日に廃止されました。
駅舎とホームを結ぶ跨線橋は無く、警報機付きの構内踏切で連絡しています。
明治5年に日本で最初に走った新橋〜横浜間の蒸気機関車は
その後 島原鉄道に払い下げられて ここで活躍していたのです。
その他 各種の鉄道資料などが展示されていました。

右写真は島原の子守歌の像
駅前は 島原市の中心街が広がっており 島原城も至近です。
(島原駅を降りると,目の前の坂の上に島原城が見えます
 但し 城への入口は堀をぐるっと回った反対側にあり500m.)
  島原城
 島原市の島原城周辺ははかつて森岳と呼称され、有馬晴信が本陣を構えて佐賀・龍造寺隆信軍を撃破した所です。
この瑞祥の地に 五条(奈良県)入封した松倉重政が島原城を築きました。
1618年(元和4年)着工し、7年3ヶ月の歳月を経て完成、同時に島原城下町も整備されたようです。

 破風を持たない層塔型総塗込の五層の天守閣を据える本丸。北へ二の丸と三の丸を配置し 要所を三層櫓で固め 外郭は4qにわたって矢狭間を持った練塀で取り囲みました。

 四万石の大名には過分な城ですが ここに有馬氏時代からの海外貿易の利益と 松倉氏の新興大名としての意気込みが感じられます。 以来、松倉氏、高力氏、松平氏、戸田氏、再び松平氏と 四氏十九代の居城として輝きました。
 その間には 1637年(寛永14年)の島原の乱で 一揆軍の猛攻をしのぎ、1792年(寛政4年)島原大変時には打続く地震と足下を洗う大津波にも耐えてきました。

 明治維新では廃城となり 払下げ・解体されましたが 島原市民の夢である御城復元への取組みが長年続き 1964年(昭和39年)には天守閣が復元されたほか 巽の櫓や丑寅の櫓が復元され 次第に昔の面影を取り戻しつつあります。 
 後側には雲仙普賢岳と平成新山の活火山、
景観は素晴らしいと思います。

 天守閣は各階で展示物が異なり、内容は見応えがあります。
 長崎県島原という土地柄、他の城と大きく違うのは「キリスト教関係の展示物の充実度」です。
 1階には「キリシタン文化」「島原・天草一揆」に関する展示があり、クロスがデザインされた日用品や仏像、刀の鍔、マリア観音像、踏み絵など 当時のキリスト教の影響の大きさと人々の信心深さ それに対する恐れ......、初めて観た物も多く 胸を打たれる資料が数多く展示してありました。
高さ35mの白壁の天守閣は 立姿がとても均整がとれていました。
4万石大名の割に立派な五層の天守閣。小倉城くらいの大きさはあります。

 安土桃山期の築城様式を取り入れた壮麗な城は 五層天守閣を中核に、大小の櫓を要所に配置。巽の櫓は北村西望記念館、丑寅の櫓は民具資料館になっており入場料がセットになっています。

城の直ぐ側まで
車で行く事が出来ます

 堀、石垣はしっかりとしており見応えがあります。
 石垣も城内から外を見渡した時に死角が無い様 段々に折れ曲がった造りをしているのが特徴。

 私は4月初旬に行きましたが 島原城と桜そして菜の花の組み合わせが素晴らしかったです。
 近くには武家屋敷や当時の城下町をしのぶことのできる絶好のスポットもあります。歴史が好きな方はぜひお勧めです。


 海と山と小さな城下町 島原市街
天守閣最上階は展望台となっているので、島原市街を一望できます。

前は有明海・島原湾
  島原の町をぶらり探訪
 島原城の見学の後は 島原の町をぶらり探訪してみました。
島原は パンフレットで「鯉の泳ぐ街」と紹介されていますが 
町の至るところに 雲仙の恵みである湧水を利用した水路があり、そこにはたくさんの鯉が泳いでいます。
まずは北西から時計回りに歩いてみます。
 大手町の西側(島原城の北西)にはかつて武家屋敷町だった「鉄砲町」があります。
鉄砲隊の屋敷が多くあった事から鉄砲町とも呼ばれていた場所で  道の真ん中を流れる水路は湧水を引いたもので、昔は飲み水だったそうです。現在も澄んで清らかな流れが守られています。
町並みの雰囲気を重厚に見せているのが 家々が道沿いに設けている灰褐色の石垣です。
長崎の石畳諫早石と同じ素材で出来ており、
1メートル程度の高さの石垣の上に生垣が並ぶ光景が数多く見られます。
 続いて島原高校の横を通って 島原駅に近い森岳商店街を歩きました。

 青い理髪舘 森岳商店街の一角にあるレトロな洋館建築。かつて理髪舘でしたが、
現在は喫茶店・ギャラリーとして 島原城周辺の休憩スポットとして人気があるようです。島原名物「ミルクセーキ」などを愉しむのも一興。
森 岳商店街にある明治の造り酒屋の景観を保った酒屋 宮崎酒店付近(写真上)
宮崎酒店は酒蔵や煙突とともに、国の登録有形文化財に登録されています。

 島原市役所の前 大手広場付近
サンシャイン中央街(アーケード街)が 島原の中心商店街となっています。

 全国の地方商店街が 郊外型モールによって淘汰され シャッター通りに豹変している状況が多い中 島原市の商店街は 平日の人通りこそ少ないですが 比較的営業している店々も多く まだまだ頑張っていると感じました。

 商圏的には広義には長崎市に包含されるとは思いますが 
海路を使えば熊本市や大牟田市などと至近に結ばれています。
佐世保同様に独立した小商圏を保持し 島原半島東部&南部の中心となっている事が伺われます。

 島原温泉 ゆとろぎの湯(島原市堀町) 雲仙扇状地の伏流水は、島原のあちこちで 市民に恩恵を与えてくれています。

歩き疲れたら 古民家を改造した休憩所「しまばら湧水亭」でゆっくりするのもお勧めです。

湧水亭の内部です(写真右)。
アーケードを南に歩き続けて 清光山江東寺に向かいました。
江東寺は曹洞宗の寺院で山号は清光山。
御本尊は釈迦牟尼仏です。
涅槃像(説法涅槃大仏像)は本堂に向かって左手奥にあります。
横になっている御釈迦様は 入寂するまで説法を説いた最後の姿が表現されています。(全長8.6m・高さ2.1m)
頭部には信者による写経1万巻が納められ、台座は歴代住職の納骨堂。足の裏には大法輪の相(仏足石)が刻まれています。

 鯉のおよぐ町・島原

雲仙の山々は豊富な湧水を生み、清流の水路は島原の町の財産となっています。
約60の湧水箇所が島原市内にあり、全体の湧水量は一日に22万トンとの事です。
  道の駅・みずなし本陣ふかえ
 島原市内の散策を終えた後は 国立公園の雲仙に向かいましたが、その途中経路上に位置する 「道の駅・みずなし本陣ふかえ」に立ち寄りました。

 道の駅・みずなし本陣ふかえは、島原市街から南に約10q、
普賢岳のふもとの 南島原市深江町丁の国道251号(旧道)沿いにあります。
 国道251号線も 海岸側に現在は新たな新道が出来ていますが、道の駅は旧道のそばにあり 雲仙普賢岳の噴火で特に大きな被害を被った場所にあります。

 雲仙普賢岳噴火による土石流災害の爪跡を保存した『土石流被災家屋保存公園』に隣接した道の駅で 施設内には、この自然の脅威について学べる火山学習館や大火砕流体験館、そして飲食・物販・体験等の建物があります。
ここからはその雲仙普賢岳、
日本で一番新しい山『平成新山』を
正面に見ることが出来ます。
ゲートをくぐると「みずなし本陣」で 
和風建築物の集合体となっていました。
普通の道の駅と同様に 地域特産品や
お食事などを出来る店が連なります。
 構内はL字型になっており 比較的大きな道の駅です。
島原の町場を出ると 周囲は飲食店やファミレスなどが比較的見つけ辛いので 
この道の駅で食事するのも得策だと思います。
地元の新鮮素材でもてなすお食事処
名物の島原そうめん 具雑煮などを試してみるのも一興。
日照時間が多く温暖で湧水にも恵まれた島原地方 
農産品やお土産もバラエティに富んでいると感じます。


 雲仙普賢岳噴火による土石流災害の被災家屋を現状保存しています。
 噴火災害のすさまじさを実感する事ができる施設ではありますが、こうした形で公開されていると かつて住んでいた住民の方はどんな気持ちなのだろうかと心が痛んだのも事実です......(^^;)。

  雲仙の災害から20年が経過し 復興に成功した人間の力強さを感じられた施設でした。



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