栃木県の県庁所在地 宇都宮市へ行ってきました。
関東地方の北部、栃木県の中部に位置し 人口51万を数える北関東最大の都市。
平安時代後期 二荒山神社が門前町を形成し 江戸時代には宇都宮藩の城下町となり
日光街道・奥州街道が分岐する場所にある宿場町として、交通の要衝としても栄えました。
戊辰戦争や第二次大戦で 歴史的遺構は失われましたが
餃子の街、ジャズの街、カクテルの街 さまざまな分野でウリのある街となっています。
 
  まずはJR宇都宮駅から

 宇都宮市の玄関口 JR宇都宮駅を起点に街歩きを始めました。東北本線 東北新幹線 日光線が分岐し 栃木の交通の最大拠点として1日平均35,000人の乗降客があります。

“栃木県の顔”だけに 駅自体は地上3階建ての駅舎 その北側の9階建の駅ビルパセオから成り 駅弁発祥の地でもあるのです。
駅は中心市街地の東端に位置し 駅前は少し場末的印象です。
(ロビンソン百貨店が撤退し 跡地に新星堂とヨドバシカメラが進出するなど 新旧交代が激しい)
 JR駅が街の東外れにあるのは 明治時代に鉄道が陸蒸気といって忌嫌されたからでしょうか?。

 宇都宮の目抜き通りは JR宇都宮駅から西に延びる「大通り」で 上河原町、大工町と、オフィス街が続き 二荒山神社前から東武宇都宮駅までが繁華なエリアです。
 生保、金融機関 ショッピングセンター ホテルが林立し 北関東最大都市の目抜き通りに相応しい街路景観を見せます。
  二荒山神社を散策
 宇都宮の中心街にある 二荒山神社に行ってみました。
繁華街「バンバ」正面に位置し 市民の憩いの場となっています。
 この神社が古くから宇都宮のシンボルだった古社で 起源は1600年前。宇都宮の始祖である 豊城入彦命を祀っています。
「下野一の宮」と呼ばれていた事が 宇都宮の知名の由来となったとも言われています。

 市街地を見下ろす高台に立つ神社 街の歴史を刻んできたのでしょう。宇都宮の中心にはこんな風雅な場所がある事が 羨ましく思いました。
宇都宮の中心にあって 神社下には 沢山の栃木の若者が
出入りする宇都宮PARCO
宇都宮の繁華街は二荒山神社の参道であった 馬場町(バンバ)
付近と それと直交するオリオン通りです
  餃子の町 宇都宮

餃子専門店は至る所で見つかります。 写真は東武宇都宮駅前
 現在ではすっかり全国的に知られるようになりましたが
宇都宮は 餃子専門店数日本一の「餃子の町」といわれ 
大通りや路地裏で 多くの餃子専門店が味を競っています。

 庶民派向けから 斬新な個性派まで バラエティに富むのが嬉しい所。地元で名が通っているのは 「みんみん」「正嗣」で いずれも市内に何軒か支店があります。みんみんは創業50年以上。
 1人前で170円〜320円。宇都宮のポピュラープライスで220円といった所でしょうか。
 なぜ宇都宮は餃子で有名になったのか.....。
  ・栃木県はニラの産出量と収穫量が全国最多であった。
  ・中国東北部に駐屯していた陸軍第14師団が終戦と共に
   宇都宮に引き揚げましたが 北関東の気温差が激しい内
   陸部にあって 暑い夏はスタミナがつく料理 寒い冬は
   温まる料理が好まれた。
  ・ニラやニンニクを含んだ餃子が そういう風土に合致した。
からだろうと言われています。
宇都宮は「餃子の持ち帰り文化」があり、20年前から県都の中で餃子支出額が最多といわれています。

宇都宮駅の観光案内所に行くと 宇都宮餃子マップを置いているので こちらで目星を付けておいても良いでしょう。
市内中心部の長崎屋地階に宇都宮餃子を集めたフロア「宇都宮餃子来らっせ」もあります。
焼餃子と水餃子があります 
(個人的には焼餃子こそ餃子だと思っていますが....。)

有名店になると その店オリジナルの冷凍餃子
(30ケ入りで1,000円位)も販売されていますので
宇都宮の味を思い出しながら 自宅で味わうのも良いかもしれません。
  オリオン通りから東武宇都宮駅周辺
 二荒山神社前のバンバ通りから 東武宇都宮駅までの西側に向かって延びる通りが 栃木県内で最大の繁華街「オリオン通り」です。長さ500mのアーケード街には老舗も多く 専門店、娯楽施設が軒を連ねます。
 東端の二荒山神社前には パルコ・ラパーク長崎屋
 西端の東武宇都宮駅前には 東武百貨店 が位置し
地域の集客力を支えています。

 やはり宇都宮も郊外型大規模店舗の伸張に伴い 中心商店街は停滞気味。 既存市街地は百貨店の撤退などもあったようですし 平日午前は人も少ないですが、栃木県全体の年間商品販売額の45%程度を 宇都宮市が占めるといった商業の中核地です。

 1本裏に行けば猥雑な店も並ぶなど 都市のエキスが渾然一体となった印象でした。人口当たりのパチンコ店も多いそうですが 店舗は駐車場が確保できる郊外に発展しているのでしょう。
 オリオンスクエア(写真上)は 市民の憩いとふれあいの場 として作られた屋外ステージ広場です。発表会、展示会、興行などが開催されます。
 司馬遼太郎さんの言葉を借りれば「娘さんが新しく洋服を買った時 それを着て歩く場所が300mでもあるというのが都市である」ということですが 宇都宮はナントカその条件をクリアしている といった感じです。
 オリオン通りには、 宇都宮の地産地消をコンセプトにしたアンテナショップ「宮カフェ」もオープンしていました。 中心街活性化、そして市外県外の人々に宇都宮の良さが実感出来る良いお店だと思います。(2階にはイタリアンやビュッフェレストランも)

 宇都宮は 日光街道 奥州街道が分岐する交通の要衝でした。
戦災で昔の名残はあまり多くありませんが 市内に文化財表示板が設置され 往時を知る事は出来ます。
東武宇都宮駅
 宇都宮の中心市街地・繁華街に接し 駅構内に百貨店があることも相俟って 駅前付近は商店、雑居ビルや飲食店も多く 賑わっている所です。
 栃木県庁、宇都宮市役所など こちらの駅の方が官庁街にも近く 使い勝手が良さそうですが 立地の良さはありながら当駅の利用者数はJR宇都宮駅と比較して格段に少ないです。
 それというのも東武宇都宮線は 東武鉄道の中でもローカル支線に位置付けられ 東京直行便も少なく 県内他市とあまり結ばれていないのです。
  マロニエ並木の中央通り
 栃木(トチノキ)を仏語でマロニエと言いますが 
そのせいかマロニエは栃木県木となっているようです。宇都宮の街路樹にもマロニエが多く 宇都宮市役所と栃木県庁を結ぶ中央通りは マロニエの並木道と名づけられています。
 左写真は宇都宮市役所で 地上16階の建物

 宇都宮は城下町でもあります
城の基を築いたのは 藤原秀郷とも藤原宗円ともいわれていますが おおむね平安時代後期に城は築かれたようです。
江戸時代には 譜代大名の居城となりました。
そして徳川家康の側近だった本多正純は 城と城下町の大改造を行い 今の宇都宮市街の原型を作りました。

 宇都宮の城は 将軍の日光参拝の際の宿城ともなったのですが
この宇都宮での重要な公式行事が 将軍と幕府の権威を全国に知らしめる事にもなったのです。
栃木県総合文化センターとマロニエ並木(右写真)
県庁と市役所を結ぶ道には 官公庁や公共施設が多いです。

栃木県の県庁所在地は 廃藩置県の時には栃木市でしたが
1884年(明治17年) 交通の要衝であった宇都宮市に移されました。“県庁を宇都宮に譲るが 県名だけは栃木を冠する” 事で 折り合いがついたようです。
  栃木県庁舎を訪ねて
 栃木県庁舎に向い 本庁舎と昭和館を見学しました。
栃木の県庁舎は 平成15年に改築・一新されました。
改築にあたっては 基本理念として 
ハンデのある人 お年寄り 子供連れでも気軽に利用しやすい事
県政の中核として 耐震性 危機管理センター IT化等視野に入れた機能性を持つ事
自然エネルギーの活用 省資源に留意し 耐久性など環境に配慮する事 を目指し 本館と東館で構成されています。

 栃木県産品や栃木県産材が 内壁 床 外構に活用されています。大谷石もふんだんに使われています

←県民広場より栃木県庁本館を望む
 本館は地上15階 地下2階
ロビーには、栃の木で作られたオブジェ 見学記念スタンプも設置 15階の展望ロビー
15階・とちぎの伝統工芸コーナー 栃木県伝統工芸品を展示・紹介しています。
とちぎの伝統工芸コーナー 益子焼陶板など 栃木らしさをアピール 県産食材を使用した展望レストラン
  栃木県庁15階からの展望
展望ロビーからは 宇都宮市街の360度のパノラマを楽しむ事が出来ます。
写真左上…東方面 JR宇都宮駅方向を望む
写真右上…東南方面 この延長に栃木市などがあります
写真左……北方面 八幡山公園と宇都宮タワー

 栃木県は日光 鬼怒川 那須 益子といった観光地を有し 宇都宮は旅の拠点には好適です 宇都宮自体が観光資源的に地味なので 餃子やカクテル等を足掛かりにしようと尽力されているようですね。 

 江戸時代 日光街道と奥州街道が分岐する宿場町で交通の要衝 また、さきの二荒山神社の門前町 そして城下町でもあった事で 多くの人々をもてなしてきた 歴史ある街でした。
そういう意味で成熟した都市といえそうです。
南方面 中央の道は 宇都宮市役所を結ぶ中央通りです。市内で最も栄えているエリアです。
  栃木県庁・昭和館
 栃木県庁の東側は昭和館となっており 4代目の旧県庁舎が移築されています。
 旧庁舎は我が国の近代建築史上重要な位置を占める 栃木県出身の工学博士佐藤功一氏の設計で 氏の代表的な建築作品として その優美な造りは栃木のシンボルとなっています。

 4代目県庁舎は、昭和13年から平成15年までの65年間 県民に親しまれてきました。
 県は文化的価値を重んじ、保存を求める多くの県民の声に応える形で 県庁舎の正面部分を移築しました。

 昭和館の館内には 栃木県内各市町村の情報室レストラン・休憩室貴賓室(要人の為に設置された部屋)、近代栃木のすがた(栃木県や市町村の成立、歴史を紹介するコーナー)など 地理好きには愉しめる展示が盛り沢山でした。
栃木県宇都宮市のぶらり探訪 いかがだったでしょうか?

東北の人が 就職や出稼ぎで都市に出ようとする時に
 “東京は尻込みしたけど 宇都宮は住みやすく自分のペースに合った”
それで宇都宮に住みついた東北人も結構多いとか..........。
良い意味での“緩衝材”を感じさせる フィットしやすそうな街ですね。 

 
 
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