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宇治川に沿って歩く |
宇治十帖=源氏物語は全篇54帖のうち最後の10帖は宇治を舞台にした終章で 光源氏の息子・薫の君、
彼を取り巻く大君、中君、浮舟といった女性が中心に織り成すしっとりとした悲恋話です。
宇治十帖が「橋姫」で始まり「夢浮橋」で終わるように
宇治橋と宇治川は この町を語るには外せない存在でした。
千年の時の流れ その歴史を偲びながら 宇治川周辺を散策してみました。
宇治川は宇治の町の中心を流れ 宇治の町からすぐ奥は連綿と続く山脈となっています。
世界遺産宇治上神社と世界遺産平等院に挟まれて流れる宇治川には中州があり 塔の島、橘島を総称して 宇治公園中の島と呼んでいます。この宇治公園中の島には 宇治川先陣の碑、十三重石塔などありますが 上流の眺めが素晴らしい(写真左)ですし、喜撰橋と対岸の風景も絵になる風景です。
夏は鵜飼があるほか 宇治川遊覧船、宇治川舟茶席もあり
川から四季折々の風景を満喫できます。 桜の時期に来ると きっと素晴らしい景色なのでしょうね。 |
宇治に来て 私は「喜撰」という漢字の書感が妙に気に入りました。
宇治川の奥に喜撰山(416m)というのがあり、「喜撰」は宇治茶の茶銘にもなっています。
銘茶「喜撰」は紛い物も多く出た為か 幕末には「正喜撰」の名で販売したら
「上喜撰」「喜撰山」など他の茶銘も出たようです。
喜びを選ぶなんて 極楽浄土をあらわす平安王朝文化の平等院の町に相応しいですよね。 |
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宇治川の中洲“塔の島”から対岸 |
喜撰橋から望む川畔 京料理の店が点在 |
あじろぎの道から“塔の島”と対岸 |
宇治橋 喜撰橋 朝霧橋を往復しても 比較的狭い範囲に見所が集中しているので、
宇治には 見所を一定間隔で循環するバスなどはありません。
ですが、歩きやレンタサイクルで町を周るには良い運動になりますし、
いにしえの面影を残す町が 肌で感じられると思います。
宇治市観光協会<<宇治市観光イラストMAP |
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藤原道長の娘彰子に女房として仕えていた紫式部が書いた長編小説“源氏物語”は、全篇54帖ありましたが 最後の10帖は宇治を舞台にした しっとりとした悲恋の物語です。
宇治の町には源氏物語宇治十帖に登場する古跡もありますので 源氏ファンには町歩きは愉しい所かもしれません。
今回の私の旅では割愛しましたが
「源氏物語ミュージアム」もあります。 |
紫式部像と宇治橋
長源氏物語の作者 紫式部の像が宇治橋
たもとにあります。後ろの橋が宇治橋で
上流側に張り出す三の間は 守護神「橋姫」を祀ったり 秀吉が茶の湯の水を汲ませた所 |
宇治十帖モニュメント 宇治川に架かる 朝霧橋たもとにあります。ヒロイン「浮舟」と「匂宮」が 小さな舟で宇治川に漕ぎ出す有名な場面です。千年の時を越え
宇治川の周辺は 往時を偲ばせてくれます。 |
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世界遺産 平等院鳳凰堂 |
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平安時代後期 1052年に関白藤原頼道が 父道長の別荘を寺院に改め 平等院としたものです。
鳳凰堂はその翌年、阿弥陀堂として建てられ 仏師定朝の作の阿弥陀如来像がある中堂、左右の翼廊、後ろの尾廊で成り立っています。屋根には鳳凰、内部は絢爛な装飾がなされています。
鳳凰堂の前は池を配した庭園となっており 後ろには平等院ミュージアム鳳翔館があります(内部写真撮影禁)。
「極楽見たくば宇治の御寺へ行け」と昔から言われ
鳳凰堂は平安貴族の想像した極楽浄土を現すと云われています。
私たちには 10円玉表面のデザインでお馴染みですが 昭和26、27年の鳳凰は小型で足が長く 以降のものが大型で短足になっているそうです。
現在の1万円札も裏面は鳳凰ですが 極楽浄土を現すだけに お金にも縁のある寺院なのですね(^^)
平等院鳳凰堂は 拝観料500円
内部拝観と平等院ミュージアム鳳翔館は別途料金要
拝観時間は冬場は15:30までとなっています。 |
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宇治茶の香る 宇治の町歩き |
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宇治と云えばお茶ですが、宇治で茶の栽培が始まったのが 13世紀の半ば頃だと云われています。
その頃すでに宇治の有名な寺社の大半はありました。
平等院表参道には宇治茶の店が多くあります。 名産の宇治茶のほか、茶あめ、茶ダンゴと茶づくしといった感じで 陶器の朝日焼もあります。
この茶の薫る道は「日本かおり風景百選の道」に選ばれ、秋はお茶を楽しむイベントも目白押しです。 |
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室町時代に三大将軍 足利義満が 宇治に7つの茶園を作り
その後、秀吉や徳川幕府に手厚く庇護を受け 高級茶のイメージが定着しました。
宇治で生産されるお茶は てん茶と玉露が中心で 一部煎茶もあります |
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三星園上林三入本店
2階に宇治茶資料室、3階に茶
室があり 抹茶づくり体験可能 |
平等院の東の宇治川沿いに
蕎麦屋が何軒かあり
名物の茶蕎麦も食べられます |
宇治市内を歩くと お茶の老舗は沢山見つかります。
写真は中村藤吉本店で 茶業一筋140余年
平等院店には宝来舟松の見える喫茶室もあります。 |
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←宇治市営茶室「対鳳庵」
平等院鳳凰堂に相対した位置にあることから名付けられました。茶道の普及、宇治茶の振興を目的に作られたもので 年末年始以外の10時〜16時まで開席しています。利用は1客500円。
宇治の和菓子とともに本格的なお点前で宇治茶をいただくことができますし 観光案内所も併設されています。 |
写真上左…伊藤久右衛門茶房
宇治茶の老舗で 本格抹茶
デザートが味わえます。
写真上中…上林 宇治茶の老舗で
上林資料館もあります。
写真上右……寺彌
ここも平等院表参道で
人気があります。 |
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朝日焼 慶長年間に開窯 |
宇治茶を使った茶だんご |
宇治茶を使った茶飴、茶カステラ |
自販機も宇治茶がメインです |