愛知県長久手市にある「トヨタ博物館」に行ってきました。

ここは日本最大級の自動車ミュージアムで 
トヨタ自動車の誕生から現在に至るまでの展示はもちろん、
豊富な日欧米車の展示で 自動車そのものの歴史もたどる事が可能です。

 この博物館はトヨタ自動車創立50周年記念事業の一環として建設され 平成元年(1989)に開館し,、10年を経てから新館が造られました。
入場料が1,000円と高めなのがネックですが (ちなみにマツダミュージアムは無料)、 それを差し引いても、館内は広大なので 車好きには楽しめる場所だと思います。  
2階に上がると貴重な欧米車のラインアップが凄い! 凄すぎる。
 19世紀末から20世紀にかけて製造された各国、各メーカーの自動車が体系的に展示されています。

 トヨタは世界の逸品をよく知り それを目指して歩んでいた事が分かります。
当時の日本の国情・国民の経済力もあり スタイルや快適装備では米国車に傾注しつつも
メカニズム的には国土の小さな欧州車こそ日本に近いからと 小型車造りから学んでいたという訳でしょう。
 スペースの都合で 第二次大戦後に製造された外国車はそれほど多くはないのですが、 世界の名車を網羅しているコレクションは圧巻。
 ここまでのコンディションで これだけの台数を展示している施設は 欧米以外では屈指でしょう。
(今度は石川県小松市の自動車博物館にも行ってみようと思います)
 車の解説に関しては 排気量や生産年や生産企業名など、データの羅列が中心なので、
車にさほど関心の無い素人 或いは女性は飽きてくるかもそれません(^^;)
その車が与えた社会的影響や使われ方、エピソード等も 少しは書かれていると違うかもしれませんネ。
(例えば 初代シビックなら オイルショックが重なって 逆にこういう車が知的と持て囃される時代に....
 フェアレディS30なら 北米で大人気スポーツカーとなって英国製スポーツカーは市場を明け渡した....)

 但し、元々知識があるカーマニアの方であれば、何時間でも見ても飽きないマニアックな車ばかりです。
 個人的には、車と車の展示間隔が十分取ってあり、写真撮影がし易かった点も美点だと感じました。
 トヨタ博物館ですのでトヨタ車が多いのですが、
ライバルメーカー車であっても、日本車の歴史を語る上で外せない車は相当数が展示されています。

 トヨタ博物館が認めた日本の名車というのは確かに フジキャビン、日野ルノー、日産フェアレディ、 初代コスモ、117クーペ、ベレッと、初代シビック、三菱コルトギャラン他 興味深い車ばかりです。 (スカイラインGTRが無かったのは意外でしたが....)

 トヨタ博物館は毎日2回ガイドツアーも行われています。
欧州車フロアで貴重な実車を前に自動車誕生の歴史を聞いた後企画展へ移動。所要時間は約1時間との事です。
館内はかなり広いので、ガイドさんの説明付で理解りやすく要所を説明して貰うなら お勧めかもしれませんね。
  特別企画展「TOYOTA 75」が開催されていました
 私が行った2013年3月は、トヨタ自動車創立75周年を記念した特別企画展「TOYOTA 75」が開催されていました。
 本館3階の展示フロアは6つのゾーンに分けられ 実車約50台、精巧なスケールモデル約50台が展示されていました。
 向こうに見えるのは トヨタ自動車初の乗用車 1936年 トヨダAA型乗用車。発売当初の価格は3350円でしたが その価格は当時の名古屋で土地付き一戸建て住宅が買えるほどでした。
AA型は1942年まで累計1404台作られたようです。
   展示していあるトヨダAA型はレプリカですが、
   これ以外の展示車は現存する実車で 実走行可能な
   車両の走行披露イベントもたまにあるようです。
1951年 トヨペットSA型乗用車。生産台数はわずか215台 1955年 初代クラウン

 昭和30年代初頭の国産車は、欧米車に大きく遅れをとっており 、欧州メーカーとの技術提携を結んで (日産はオースチン)(日野はルノー)(いすゞはヒルマン) ノックダウン生産を行いながら 車造りを学ぶという選択から始めましたが、
 トヨタは「日本人の頭と腕で日本に自動車工業を作ろう」という創業者・豊田喜一郎氏の志で 欧州メーカーとの技術提携は選ばずに 自主開発の道を歩み始めていました。
 そんな企業風土は ハイブリッドカーで席巻する現在のトヨタに連綿と息づいていると感じます。


  国産車で最長の車種は 58年を誇るトヨタのクラウンです。
 左写真は初代から10代目のクラウンが集められた歴代クラウンゾーンです。
イージードライブ、フルアクセサリー、人が見て「いいな」と思わせるフィーリング、静粛性、そして耐久性
現在の国産車の思想は すべてこのクラウンで作られたといっても良いかもしれません。

 トヨタが常に力瘤を入れまくって作ってきたのが伝わってきます。
歴代のモデルを見ると 米国車の影響を受けたり 独車の影響を受けたり そういった時代の特徴が色濃く反映されているようです。

 クラウンは長らく日本国内専売モデルで 国際性が無いのが唯一の欠点でしたが、 ゼロクラウン(V6のGRエンジン)となった12代目から 中国でも販売されるようになりました。

 来館者にとって 印象深い年式のクラウンの前に 佇んでいる時間が長いようです。

 「いつかはクラウン」などという言葉もありましたが 
クラウンという車が いかに多くの日本人の憧れで 心に残っているかを感じます。
10代目までとはいわず ついでに現行型まで全部並べて欲しかったな〜(^^) 。
 ずらり並んだ歴代カローラ
 日本の大衆車の雄…カローラは初代から6代目まで実車展示されていました。 良く売れる車と云うのは 嗜好性に乏しくともふんだんに開発費が掛けられて その完成度は高く、特にカローラはそのクオリティーの高さで 日本の大衆車を常に牽引してきた存在でした。 国内だけでなく世界でもベストセラー車種で 国際車でもあるのです
   写真左上から
     ●カローラの前身 初代パブリカ(UP10)
     ●1964年 3代目 トヨペット コロナ(RT40型)
     ●1964年 初代 トヨペット コロナマークII(RT62型)
     ●1989年 初代レクサスLS400(日本名セルシオ)
全てを展示しきれないので、マーク2などは精巧な1/5スケールモデルが展示されています。
 1968年 トヨタ2000GT(MF10)
 トヨタ博物館はトヨタ2000GTを5台も持っているそうですが 名車中の名車だけに貸出依頼も多いようで 運が悪ければ展示が行われていない事もあるとか..... 
   1965年 トヨタ スポーツ800(UP15型)
     ヨタハチという愛称もありましたネ。
1970年 初代 セリカ(TA22) (左写真)
 名神、東名の高速道路が開通した後、大阪万博も行われ 多くの人が車に夢や憧れを求めるようになり、和製ムスタングと呼ばれたこのセリカのような個性的なモデルが誕生しました。2T-GというDOHCエンジンも搭載し 格好だけの車ではありません。
カリーナED
スタイリッシュ4ドアサルーン
 86 スバルと共同開発した
 FRスポーツ
1981年 初代 ソアラ (MZ11)
 ドイツのプレミアムメーカー メルセデスやBMWみたいな車を造りたい との思いでトヨタが造った メルセデス風ボディとBMW的シャシの2ドアクーペ。
 2800tDOHCエンジンは 排ガス規制でハイパワーに渇望していた当時の日本の自動車ファンを熱狂させましたが MCで2000tDOHCエンジンが搭載され大人気車になりましたネ。
 実は私も若い頃 白のソアラ2800GTエクストラ(本革シート付)を中古で買って所有していた事がありますが、懐かしくてやはりここに居る時間が長かったかな(^^)

 この当時は法規制でソアラも70タイヤを履かせて発売されていました。 リアウインドウのクォーターサンシェードはメルセデスSLC(3代目)を真似しているのが泣かせる(^^;)。
1990年代以降は 日本人のライフスタイルも多種多様化して 生活に似合った車選び.....という事で RV車などが台頭してきます。トヨタは機を見るに敏な会社だけあってクロカン4WD、ミニヴァンなど 積極的に展開してきました。
 (H社の人気車をすぐ真似して出すのには閉口しましたが(笑))
プリウス 世界に先駆けてハイブリッド車を販売しました。
レクサスLFA(2009年プロトタイプ)
4000万円する車です(笑)。
 トヨタもグローバル企業となり、世界各国でその地域に密着した自動車生産を行っています。
 最新のLFA越しには スタートラインに立ったトヨダAA型が垣間見えましたが 75年間で700車種以上造ったトヨタの歩みに 何とも感慨深い...という印象を抱けるようになっています。
  新館に進んでいくと.......... 
 新館に進んでいくと 昭和の文化とクルマの進化を対比させたコーナーがあり、 その車が活躍した時代の風俗などがわかるさまざまなものが展示されてあるので (アイビーファッション、ジーンズ、カメラ等々) こちらでは車にそれほど興味のない人でも楽しめる場所かなと思います。
 新館3階のギャラリーでは 歴代トヨタ車のカタログの中から
 選ばれた。貴重な90車種のカタログが展示されていました。
世界のナンバープレートも見る事も出来
車を取り巻くありとあらゆる物を見て学べる博物館です。
休息、買い物など...........
博物館内にレストランもあり 半日くらいゆっくり過ごせます。 (博物館内に昼食の持ち込みは不可)
レストランで食べられるトヨタ博物館カレーは  ミュージアムショップでも販売(缶詰とレトルトの2種)されているので
良いお土産になるかと思います。
 ミュージアムショップでは、お土産も要チェック !!
私もトヨタ2000GT関連のグッズをl購入しました。

 博物館内に昼食が買えるような店は無く 売店はありますがお土産のみです。 食事をするなら博物館内のレストラン、お茶か軽食で良いならカフェを利用して下さい。
 他に新館には 自動車関連の書籍だけを集めた図書館もあり 調べ物にも最適です。
 本館の前にはトヨタ製ボンネットバスが展示され、中に入る事も可能でした。

 道を挟んだ向かいには 以前近くで開催された「愛・地球博」で使われた低公害バスが止まっています。天然ガスを燃料としたエンジンで連結器の無い電子的な編成 を組み、自動運転による隊列走行を行っていました。
(残念ながら乗車は出来ません)
 貴重な車種を数多く所有している日本最大級の自動車博物館「トヨタ博物館」。
 中でも企画展は 私たちにとって非常に身近だった車種と そのルーツとなる車の展示が中心で 周囲の風景によく馴染んでいたトヨタ車の 思い出を掘り起こす非常に興味深い企画展だと感じましたし、 私達の生活の中に自動車がいかに根付いているかを再認識できました。

 私の6台の車歴の中で トヨタ車と過ごした時間はその半分弱の14年間。 トヨタ車ファンはもちろん、遠方の車好きな人も少し足を延ばして、 名古屋観光のスポットとして 車とゆったりとした時間を過ごすのも一興ではないでしょうか。
 見学所要時間ですが 最低2時間は欲しい所で、
私たち車好きには4時間でも足りなかった程です(笑)。
 博物館駐車場は もちろんEV充電にも対応しています。

 博物館のある愛知県長久手市は 名古屋市の東郊(東名高速名古屋icより更に3q東)にあります。
名古屋駅から公共交通機関で向かうのであれば 地下鉄東山線で終点の藤ヶ丘まで行き 藤ヶ丘でリニモに乗り継いで芸大前で下車。 そこから徒歩5分です。


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