瀬戸内 しまなみ海道とは…
本州と四国を結ぶ橋梁ルートは3つあり 全て高速道路となっています。
しまなみ海道(西瀬戸自動車道)は最西に位置し 地理的条件から最も交通量が少ない路線となっています。
向島 因島、生口島 大三島 伯方島 大島を結ぶこのルートは 多島美を満喫出来
全長70kmの中には 豊かな自然や温泉 観光施設など様々な魅力が溢れ
唯一 自転車で通行できることもあり 四季を問わず多くのサイクリストが行き交っています。
このコンテンツでは 豊かな自然に囲まれ 古くからの歴史を持つ
しまなみ海道・瀬戸田をお届けします。
|
因島大橋 |
 |
本四連絡橋で最初の吊り橋で 昭和58年に完成しました。
向島と因島を結ぶ1,270mの橋、開通時は日本最長の橋でした。
ケーブルを吊る2本の塔の高さは、海上から145m
橋桁は2段になっていて、上段が自動車専用道路、下段が歩行者道、バイク道です。
風速55mの台風やマグニチュード8程度の地震を想定して設計され風速が強まるに従って規制が増し 風速25mで車は通行止となります。 |
 |
 |
しまなみ海道に入って一つ目の大浜PAで 記念スタンプを押し ガイドマップを手に入れました。
尾道から今治までの全長は70kmですが 数多くの見どころがあるのが分かります。
大浜PAから因島大橋を眺めることができます。
因島は八朔の発祥地ですので それを活かしたソフトクリームなどをお薦め。 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
因島は 室町時代から戦国時代は村上水軍の根拠地として、江戸時代は廻船業で栄え 現在は造船の町となっています。
因島は現在は尾道市と合併しましたが
以前は島では珍しく市制を敷いていました(かつては因島市)
かつては除虫菊の栽培も盛んでしたが
近年はミカンや八朔などの柑橘類に主力が移っています。 |
 |
多々羅大橋 |
 |
しまなみ海道の中で個人的に 最も美しいと感じる橋が
広島県生口島と愛媛県大三島を結ぶ多々羅大橋です。
この橋は斜張橋としては世界最長で(全長1480m 主塔間890m) 1999年5月に
完成しました。架橋技術の進歩で 景観を配慮するようになってから 吊橋一辺倒から
斜張橋も選ばれるようになりました。2羽の白鳥が羽を拡げたように見える
瀬戸内の風景に調和した美しいデザインもしまなみ海道の魅力です。
橋の上からの見晴らしは抜群で 伯方島や高根島など
瀬戸内の多島美のパノラマが見事です。
多々羅大橋がしまなみ海道のハイライトと言っても過言ではないと思います。 |
 |
 |
 |
 |
|
 |
道の駅多々羅しまなみ公園 |
 |
世界一の斜長橋「多々羅大橋」の大三島側たもと 道の駅多々羅しまなみ公園は
特産品センター、観光案内所、レストラン、産地直売所などがあります。
レンタサイクルも有り 観光情報も揃う大きな道の駅ですから
PAこそあってもSAの無い西瀬戸自動車道(しまなみ海道)では お土産などが数多く揃う 最も活気ある観光拠点といえるのではないでしょうか。
ちなみに自転車のレンタルは1日500円+保障料1,000円(借りた場所に返せば戻る 違う場所で返せば戻らない)で 電動アシスト型も別料金で用意されます(こちらは違う場所での返却不可) 2009/5現在 |
|
 |
 |
地元のお菓子や 自然資源を活用した工芸品をはじめ しまなみ海道周辺や四国の特産品海産物を展示販売しています。
地元食材のスイーツなど お土産探しにも絶好です。
(行政区分的には 多々羅大橋の真中を県境として ここは愛媛県今治市となります)
しあわせの鐘
フランスのノルマンディーから来た鐘 |
 |
 |
 |
 |
 |
レストラン夢岬
道の駅中にある食事処で 明るい店内から瀬戸内海 多々羅大橋を満喫できます。
全国に先駆けて ヒラメの養殖に成功したのが大三島。ヒラメと鯛が美味いようで
ヒラメの刺身 ヒラメ丼 鯛丼などがあり
ヒラメ唐揚御膳(骨が柔らかく頭から尻尾まで食べられる)に食指が動かされましたが
後で瀬戸田でもタコ飯を食べたくなると考え 海鮮丼を注文。 |
|
 |
瀬戸田 |
 |
生口島の中心は瀬戸田で 官公庁や商店が集まっている町場。
多々羅大橋を降りて約10km程走ります。
瀬戸田は耕三寺の門前町&港町として栄えた所で 旧瀬戸田町の人口が約1万人弱
三原や尾道への船も出ており 観光客も多いためか賑わっていました。
瀬戸田の観光案内所は平山郁夫美術館の向かいで 貸自転車もあります。
写真は参道商店街
飲食店や土産物屋が多いのですが 食事処は比較的早く閉まってしまうので 14時位までに行かれると選択肢が多いはずです。商店街では島人の営みに触れるのも一興。
|
 |
 |
平山郁夫美術館
幼年期に描いたクレヨン画から 代表作のシルクロードシリーズまで
瀬戸田出身の 現代日本画家の巨匠・平山郁夫氏の足跡の全てを紹介する美術館です。
約2000点を展示していますが 館内は写真撮影不可なので 庭園から撮影しました。
レターセットなどが良い趣味で 記念になるかもしれませんね。 |
 |
 |

温暖な気候に恵まれた瀬戸田は国産のレモン発祥の地。
ミカンも島内でよく取れ 柑橘を生かしたスイーツやソフトクリームなどがウリです。(左写真は人気店の瀬戸田ドルチェ)
今回の旅では割愛しましたが「瀬戸田シトラスパーク」という
日本初の柑橘類をテーマにした公園も島内にあります。 |
|
 |
瀬戸田港は鯛やタコ漁が盛んな地ですから タコ天丼 タコ飯が名物となっています。 (試しにお店を探すなら「瀬戸田 たこ飯」と検索してみて下さい 大変多くの情報が出てきます)
近海で捕れた生ダコと米を昆布だしで炊きます。
甘味のあるタコの味が絶妙。 |
 |
耕三寺 |
 |
耕三寺は 広島県生口島の瀬戸田町(現尾道市)にある 仏教寺院です。山号は潮声山(潮聲山) 宗派は浄土真宗本願寺派。
門構えから凄い耕三寺の山門(写真左)
開基は 戦前に鋼管業で財を成した 金本耕三という人で
この人の名が寺名になったのです。
昭和11年から昭和30年にかけて 母の菩提を弔うために寺を造営しました。 (そのため母の寺と云われ 私が訪ねた5月10日・母の日には寺で 母を供養する法要、野点などが行われていました)
そんな新しい寺院ではありますが 日本各地の有名な古建築を真似て建てられた堂跡が集結しており
代表的な孝養門は日光東照宮陽明門を模していることから「西の日光」などと呼ばれています。 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
耕三寺 中門 |
孝養門下の階段から 法宝蔵を望む |
 |

山門を抜け中央に五重塔、孝養門を見ながら本堂へ歩きましたが日本各地の有名建築を模したものが こうも一同に集まると壮観。
国宝こそ無くとも、山門・本堂をはじめ15の建造物が 国の登録有形文化財です。
仏像、書画、茶道具などの美術品・文化財が沢山あり 寺全体が博物館となっています。
五重塔(左写真) 室生寺五重塔を模したもの
銅板葺の屋根の五重塔は大変珍しく 他では見られません
初代住職・耕三和上自らが棟梁として設計指導しました。
(耕三は大阪で大口径の特殊鋼管の製造会社を営んでいたので)
その経験で 銅板葺屋根と1.5tの鋼鉄の円筒を心柱にしています |
 |
 |
|
孝養門(写真上、右すべて)
耕三和上最後の念願として 日光の陽明門を同寸で模した建造物です
木組みは陽明門を踏襲しつつも 仏教様式を取り入れた彫刻金具や彩色は 大正、昭和を代表する作家によるもので
木柱に直接刻まれた彫刻は 他では見られません
豪華絢爛な佇まいには舌を巻きます。 |
 |
 |
 |
 |
  |
 |
周囲の風景とよく馴染んでいることと、桜、つつじ、紫陽花 百日紅、紅葉と四季の花木が溢れることもあり
写真好きには「これは」と思える 絶好の被写体が発見できる筈です。
|
 |
 |
 |
 |
 |

本堂(写真上) 平等院鳳凰堂を模したもの
山門の両側は廻廊 内部は羅漢堂ですが写真は遠慮しました。
救世観音(写真左) カラフルで異国風な造形が見応えあります
伽羅の配置は 山門から本堂までの諸堂は左右対称になっており 同じ堂が2棟づつあります。(耕三寺式伽羅配置)
堂塔の数々は 飛鳥から江戸時代にかけての代表的な仏教建築の様式や手法を取り入れ 当時の色に忠実に再現しながらも 建物の機能性と実用性を加味して 独創的な改良を施しており
フェイクな粗末さを感じる事はありませんでした。
お土産屋(写真左) 境内だけに仏教関連品が主体
|
 |
 |
 |
 |
 |

耕三寺は見所が多くアップダウンが激しいのですが
一途なまでの母の追慕から生まれたこの寺
“老いた母を連れて行けるように”との思いがあるのでしょう。
車椅子をご利用の方でも 一番上の「未来心の丘」へ登れるように通行できるルートが しおりにきちんと記されています。
(こういう真面目な点が私の好きな所です)
多くの人に「中国を思わせる」と言わしめる 豪華絢爛で有名な寺社です。
旅慣れた方には 凝縮の面白さを感じて頂けますし 初めての方にも 西日本の外れにもこんな極彩色の仏教施設があったのか と驚かれる事請け合いです。
『世の母は みな観世音 花の春』
とは 初代住職・耕三和上の句ですが もっと母に色々な事をしてあげたい 母を幸せに出来る自分になろう と五欲だけで生きている自分自身を見つめ直す意味で 耕三寺探訪は意味があったと感じました。
入場料は大人1,200円 (団体、障害者、web割引有)2009/6現在 |
 |
 |
 |
|
さらに奥には“未来心の丘”というアート
寺の裏山を大理石で埋め尽くした巨大な構造物になっています |
 |

未来心の丘を制作したのは 彫刻家の杭谷一東氏で
大理石の丘なんて ちょっと景色が日本離れしています。
(個人的には“ここには絶対 行かない手はないヨ”と思います)
周囲の風景 自然との調和を考えてモニュメントは制作され
穏やかな瀬戸内海を 優美な景色の中で見下ろすのはお勧め。
2005年に イタリアの都市景観部門大賞を受賞しています。
|
 |
 |
山頂からの眺めも良好なこちらにはカフェもありました(写真下)
下に見えるのは高根島を結ぶ高根大橋 瀬戸田漁港
大理石のすべては氏のアトリエがあるイタリアで採掘し コンテナ船で運んで来たとの事ですが
やはり多額の費用が掛かっているとみえ
大理石をよく見るとサンダー跡が残ってる↓のはご愛嬌(^^) |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
|
 |
しまなみ海道を走って...... |
 |
 |
 |
花々や柑橘の香りが漂う道を駆け抜け 海沿いや橋上を走りながら瀬戸内の多島美に感動
移り変わる景色の多様性が旅行者を魅きつけるのでしょう。 いつか多島美ロードをサイクリングしてみたいですね。 |
 |
 |
 |
しまなみ海道開通から10年を経て 陸続きの安心感をもたらし
島の暮らしにすっかり溶け込んだかのように見えます。
海と島が織りなす自然 歴史文化 リピーターを呼び込む資源には恵まれていますが
県境を越えた情報や人の流れ 連携が もっと強まればと感じました。
|
|
|