鹿児島・仙厳園を訪ねて

　仙巌園(磯庭園)
　　～近代日本の発祥の地と　島津家別邸を訪ねて～　
　

　園内に入るなら　観光案内所に割引券があるので　
それを入手しておきましょう。
九州道の宮原SA下り線にも割引券がありました。
○庭園コース(仙厳園と尚古集成館(近代日本発祥の地・施設))　
○御殿コース(上記＋御殿(藩主別邸／菓子・抹茶付))があります

　仙厳園に入ってみる

　仙巌園(磯庭園)は、第19代藩主・島津光久の別邸として　万治元年(1658)に造られました。
園内には長い歴史を物語る史蹟が数多く残され　反射炉跡や、
御殿、日本初のガス燈・鶴燈篭があります。
　日本の伝統的な庭園美が主体ですが　日本の南窓のような存在だった薩摩国ですから　琉球の国王から贈られた望嶽楼　中国文化を感じさせる江南竹林、千尋巌、曲水の庭など　見るところがかなりあります。

　反射炉跡
　　溶かした銑鉄を鋳型に注いで　
　　ここで大砲を作っていたのです
　
　下方には鉄製150ポンド砲が
　展示されています

　公園の名称は仙厳園よりも磯庭園の方が
　名前の通りが良いようです。

　食事やお土産の買物にも好適で　鹿児島では外せない観光名所です。入口から庭園の間に土産物屋　食事処が並びます。
　まずはぜんざいで一服しました。

さつまあげ実演（写真右）
　さつまあげは薩州名物で　エソ・ハモ等の魚のすり身を原料に
油でこんがりと焼いていきます。人参やごぼうが入ったものも.....。


銀杏細工	篤姫人形（垂水人形）	名物の両棒餅（武士の両棒差しに由来）

		仙厳園は　第19代藩主・島津光久の別邸として　万治元年(1658)に造られました。その後　歴代の当主らにより受け継がれ　 21代島津吉貴の時には磯奉行を置き園内を整備 27代島津斉興の時に庭地拡張、28代島津斉彬の時には隣に集成館を築き　島津家の重要な舞台となりました。　御殿（写真左）　明治時代には島津家の本邸としても利用されました園内の数箇所で大河ドラマ「篤姫」の撮影が行われました。

桜島を築山　そして錦江湾を池に見立てた　素晴らしい借景庭園が向いにあります。

敷地面積は約50,000平方メートル　ここからの桜島と錦江湾の風景は大変美しく
昭和33年には国の名勝に指定されました。
(それにしても　傍を走る日豊本線の架線が邪魔な事といったら....　photoshopで消しています......(笑) )

庭園から望む桜島の山並み

歴代の当主に愛されただけに　景色も抜群

錫門
仙厳園築庭当時は仙厳園の正門として造られました。
27代島津斉興の代　庭地拡張を行って以降は仙厳園中門となりました。錫で瓦を葺いた朱塗りの門なので錫門と呼ばれています。
かつては当主と嫡男だけが通る門だったようです。

正門
この門が出来たのは明治28年になってからで　29代島津忠義が建てさせました。
島津家の家紋　丸十紋と桐紋が彫りこまれています。

写真を撮りながら思ったのですが　春など草花が美しい時期に来たら　もっと楽しめたかもしれませんね。

　尚古集成館

尚古集成館本館（旧集成館機械工場）

　19世紀に　欧州列強がインド・東南アジアからさらに極東アジア
に触手を伸ばしてきました。
アヘン戦争で清が破れ　薩英戦争では　西欧の強さや技術を見知ってショックを受け　日本の南にあって警戒感を持っていた薩摩藩は西欧の科学技術を導入し　近代化と工業化に踏み切りました。

　尚古集成館は　第28代島津斉彬が建設した工場群跡地で　
大砲を作った反射炉跡や機械工場が　当時の面影を伝えてくれます。

　薩摩・鹿児島が世界の文明や文化の受入場所だっただけに　
ヨーロッパの地図でも　ジパングにカゴシマの地名は記載されています。

　鹿児島が海外から受けたカルチャーショック　そしてそれを
日本各地に伝え　歴史や文化に与えた影響など　先駆地と
しての力瘤を充分に感じ取る事が出来ました。

　富国強兵　殖産興業政策に沿って　社会基盤を欧州のように
整備する意図で始められ　製鉄、紡績、造船、造砲　硝子、電信
医療、印刷、電信、福祉など　多岐の分野に集成館の事業は拡がっていました。