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日本と中国の間に挟まれた沖縄は 地理的条件から“日本と中国のあいのこ”のように
日本と中国の影響を受けた独特の食文化が発達しました。
さらに狭い県土にひしめき合う人口で米が足りず 戦前は食材難でソテツ地獄といわれた移民県。
さらに戦後は米統治時代が続き 食文化が本土と大きく異なります。
高価な琉球料理を名店で味わうのも悪くないのですが
沖縄の普段着の味を手頃に味わうならば
大衆食堂(定食屋)がリーズナブルかつ面白く お薦めなのです。
今回の沖縄の旅では あえて沖縄食ばかりを選択して 食べてきました。
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大衆食堂 三笠(国道58号線沿い) |
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沖縄の代表的なメニューが一通り揃います。
嬉しい事に此処の店は24時間営業で
朝早く食べる所が意外と少ない沖縄では貴重な存在なのです。
(レンタカーやバスで 本島北部へ朝早く発つ場合に こうした店は有難い) (大衆食堂 三笠の公式サイトはこちらから)
左写真は「ちゃんぽん」
日本本土では “ちゃんぽん=麺類”ですが 沖縄では“肉野菜炒めを溶き卵でとじたご飯”です。
沖縄全域ではちゃんぽん=飯 なんですよね。「ちゃんぽんを注文したのに ご飯じゃないか!」と沖縄では怒らないように!(笑)
ミジン切りの玉ねぎとミンチを炒め 出汁で煮て 醤油とみりんを加え 溶き卵を混ぜてます。美味かった〜(笑)。
量が多いのが嬉しいけど 妙齢の女性なら残すかも。
他の店では コンビーフハッシュを入れる店も多いようです。 |
「ポークたまご」右写真
ポークランチョンはアメリカから伝わったポーク缶詰(豚のくず肉を固めたものでアメリカ軍の携帯食だった)ですが 日本に入ってくるこれの殆どは沖縄で消費されるのです。
これと卵を炒めただけで 料理のメニューとしてはシンプルですが 結構美味いんですよね。これも量が多いです。
(※ところで迷惑メールの事ををスパムメールといいますが
米軍人は赴任地で 食事に毎日毎日ホーメル社のスパムというランチョンミートが続くのでウンザリしてしまい(笑) 「スパム」がスラング化したようです)
三笠食堂ではホーメル社のスパムでなくチューリップのポーク缶詰を使っていました。
ここでは 普通は料理にご飯や汁物がセットになっています。
(別注文の必要なし) |
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ここは24時間営業です。
那覇ほどの都会でも 早朝から営業している店が意外と少ないので本島北部へ朝早く発つ場合に重宝します。今回の旅では2回行きました(笑) |
観光客向けでない、沖縄の人が普通に食べているものを現地価格で提供しています。 |
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花笠食堂(国際通り近く 平和通りアーケード内) |
数々の旅行案内書やウェブを見漁って 事前に那覇の大衆食堂情報を収集していました。
先述の三笠食堂とともに どうしても寄りたかったのが こちらの花笠食堂でした。 |
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内容を考えると琉球定食がお薦めです。1,100円で琉球料理の大半を網羅していましたから。
汁物は中身汁 イナムルチ、味噌汁などから一つ選べるのですが
折角ですから『イナムルチ』という 初めて聞いたようなものを選びました(笑) |
 イナムルチとは 標準語では「猪もどき」。白味噌仕立ての汁物で、豚肉をイノシシに見立てたという、具だくさんの汁です。
茹でた豚肉、こんにゃく、椎茸、カマボコが入っています。
ミミガーとは豚の耳皮。これも結構コリコリして美味でしたね。
ごはんは玄米飯を選択。
最後に特筆すべきなのがラフティ。豚の三枚肉を皮付きで甘辛く煮つけた角煮で 沖縄を代表する豚料理です。煮る時に泡盛を使い 箸がスッと通るほど柔らかく仕上げるのが特色。 |
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花笠食堂では水の代わりにアイスティが用意されます。アイスティはコザ(沖縄市)の食堂で多いそう。 |
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安い沖縄のステーキ |
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那覇市辻 今は風俗店も多いのですが ここで何と言っても有名なのがステーキ屋街。ボリュームあるステーキが 安く食べられるとあって有名になっています。
本土復帰後も、27年も米軍占領下にあった戦後沖縄の特殊性と 米軍基地が未だに75%も集中したままという代償の意味も含めて『沖縄振興法』という特例措置が認められ酒税が安かったり 特別措置で関税が安く抑えられ、厚くてボリュームのあるステーキが安く食べられます。「ステーキハウス88」に行きました。
Aサインを表示した店内(左写真)
Aサインとは 戦後沖縄飲食店の清潔感の無さに驚いた琉球アメリカ民政府が 一定の基準をクリアするよう 飲食店に与えた標章なのです。
この店はアメリカ統治時代 1955(昭30)年『CLUB88』という名で創業し 米兵や地元 |

写真はこの店のテンダーロインステーキ |
の人に愛され50年以 上の歴史がある老舗店。 内装も、たぶん復帰前からさほど大きくは変わってないのでは。
洗練さやお洒落さはありませんが、下手に演出されてないのがGOOD!。
沖縄のステーキ屋なら 殆どの店にあるA1ソース。少し酸味が効いて甘い果実感ある味です。自分でソースをかけて好みの味にできるのが 沖縄流でしょうか。 |
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牧志公設市場でソーキそば |
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ソーキそば
沖縄そばにソーキが載ったもので そばの麺はかんすいと小麦粉で作られる沖縄麺。きしめんのような うどんのような一風変わった麺です。
これも中国から伝来したといわれ 琉球王朝時代は宮廷料理でした。
日本に復帰して 日本の法では「蕎麦粉を30%以上含まないと蕎麦と云えない」という事でモメましたが 昭和53年にようやく特別に認可され 20年以上経ちます。 |

牧志公設市場の2階は食堂街です。 |
スープは 沖縄豚骨とカツオを使って出汁を使います。
豚はスープと煮込んで その後軽く砂糖醤油で味付けています。
スープはまろやかで 麺とのマッチングも良いと思いました。 |
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とうふチャンプルーと沖縄豆腐 |
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那覇空港1階にある空港食堂のとうふチャンプルーは 豚肉と炒めていましたが、店によっては ポークのランチョンミート、シーチキンなどと一緒に油で炒めます。
空港食堂は那覇空港の1階の南端にあります。
ここは空港職員社員食堂の感があり ポピュラーなメニューが特色。
食券を先に求めて 最後はお椀を自ら下げに行くというシステム
当然価格も安いし量もまあまあ。航空会社のスッチー客室乗務員がグループで食事していたりします。
後ろ髪をひかれる想いで本土に帰る間際に“沖縄食食べ納め”に立ち寄るなら絶好かな..と(笑)。 |
沖縄豆腐
中国豆腐の影響を受けて 硬くて肉厚で味が濃く 大きさも大きいのが特徴です。
豆腐の製法も変わっており 苦りの代わりに海水を使っています。
長寿県といわれる沖縄は 豚を過不足無く食べ 豆腐をよく食べ 緑黄色野菜を食べ
昆布を多く食べるなど 食生活がバランス良く
医食同源 薬食同源の思想が根付いている事にあります。
なお、沖縄では冷奴をあまり食べる習慣がありません。 |
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琉球泡盛とオリオンビール |
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琉球泡盛
タイ米から黒麹を作り発酵させ蒸留したものです。
沖縄には48の酒造会社がありますが 琉球泡盛には様々な銘柄があります。
国際通りには泡盛専門店もあり 3年以上の古酒が美味という事で定評があります。
ポピュラーなのが久米仙という銘柄で すっきりして初心者でも飲み易いと聞き 試してみました。
水割りで飲んだあと 左の沖縄ジュースで割って飲んでみました。
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国際通りには泡盛専門店も点在 |
沖縄では75%以上のシェアを取るのがオリオンビールです。
本社は浦添市ですが 工場は沖縄で美味しい水が飲めるという名護市にあります。
アサヒビールと提携しており 本土で飲めるオリオンビールはアサヒビールが製造し
沖縄県内で飲めるアサヒビールはオリオンビールが作っています。
戦後のアメリカ文化流入も影響して 沖縄にもビール企業を! の声が高まり
1957年創業のこの会社、税制上の優遇措置や 県民一人当りビール消費量の高さ
(国内2位 亜熱帯気候にビールが最適)を背景に着実に販売を伸ばしたようです。
ライトで苦味が少ない バドワイザーライクな味わいです。
そのためか どうしても本土では人気がない
余談ですが...オリオンビールも名護市で出来たてを飲むのが一番美味いとか(笑)。 |

ツマミは勿論ミミガージャーキー |
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沖縄の菓子と菓子パン |
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サーターアンダギー(左写真)
沖縄版ドーナツといえるもので 中国から伝わった小麦粉で作った菓子です。揚げてチューリップ型に割れているのが特色です。
他にポピュラーな土産菓子で 沖縄版クッキー”ちんすこう”もありますが 今回は割愛しました。
ブルーシールチョコドリンク
私自身こんな甘い物は普段飲みませんが HP制作者根性から 沖縄限定モノという珍しさで購入しました(笑) 紙製の牛乳パック入りが昔から沖縄で親しまれていたそう。 |
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沖縄の菓子パン
沖縄にしかなさそうな菓子パンを求めましたが
コンビニで目立っていたのがこれ 『スーパーブラックメロン』
結構ジャンボサイズなのが特色です オキコパン(沖縄県西原町)で作っており
“男のメロン” "ブラック”と書いてあるだけに 甘ったるくなかったのは美点..。
沖縄の菓子パンは マーガリンを嗜好する県民性もあって そんな味の物が多い
ようです。それにしても地元菓子パンの垢抜けないパッケージデザイン(失礼)とか
他にも買って 写真で紹介してみたら良かったかもしれませんね(^^)
オキコパンは、敷島製パンと技術提携しており、同社製品のOEMも行っています。
麺類も製造しているようです。 http://www.okiko.net/ |
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