「日光を見ずして結構というなかれ」と呼ばれる栃木県日光市に行ってきました。
1999年に日光東照宮、日光山輪王寺、二荒山神社等が
「日光の社寺」としてユネスコの世界遺産に登録されました。 
 日本第一級の観光地として世界各国から観光客が訪れる日光ですが
日光市だけでも範囲が大変広いので 日光山内と俗に言う
世界遺産に絞っての観光を楽しみました。それでもまる一日は欲しい所です。
  
 日光山内とは 日光東照宮、二荒山神社 大猷院を含めた日光山輪王寺がある一帯で
二社一寺の堂塔が並び建つさまは壮観です。
 日光の世界遺産は 日光東照宮の陽明門 日光山輪王寺の三仏堂 二荒山神社の本殿など
全部で103の建造物と 周辺の自然環境です。
 
  日光駅から世界遺産めぐりバスに乗って

 先ずは 宇都宮から日光線にてJR日光駅前に降り立ちました
(先に宇都宮で餃子等を楽しんだので)
この駅舎や鉄道車両もレトロで 大変雰囲気のある駅舎です。

 駅前で既に標高530m。通りで空気がひんやりしている筈です。
男体山の方向を見ると 付近の山岳は雪が被っていました。
JR日光駅 世界遺産めぐりバス

 日光へはJRのほか 東武鉄道(左写真の山小屋風駅舎は東武日光駅 そして駅前)も乗り入れており 東京へ直通し料金も安いので 東武駅の方がメジャーで観光地としての活気があります。

 日光駅から日光山内までは 約2kmの門前町(参道商店街)となっています。
 駅から歩いても良かったのですが 日光山内まで上り坂であったのと 世界遺産の寺社仏閣巡りで相当歩く事から 体力温存を考え 世界遺産めぐり循環バスを利用しました。

 このバスは比較的近くで下ろしてくれ 本数も頻繁にあり利用しやすいのでお勧めです。(但し紅葉時期は渋滞するので注意)
  まずは日光山輪王寺から.....
 世界遺産めぐり場バス「表参道」で下車し
まずは最も手前の(地図で言えば東南になる) 日光山輪王寺の黒門に行き 輪王寺拝観券売場に向かいました。

 日光山内の拝観料 結構仕組みが複雑なので 
時間と目的を考えて拝見券を購入される事をお薦めします。
 私が買ったのが 二社一寺共通拝観券に日光山輪王寺(宝物殿・逍遥園)が付いた1,300円の券です。 
日光山輪王寺、日光東照宮、二荒山神社、輪王寺大猷院です。
ここから北側、西側に向かって反時計回りに進みます。
 スポーツクラブで普段から汗を流す私には 何でもない距離ですが、 階段も多く全て廻るとかなり歩き疲れる事は覚悟して下さい。全部周ると時間は少なくとも5時間は欲しいですね。
 日光山輪王寺は勝道上人が 天平神護2年(766)に 四本竜寺を建立したのが始まりです
(東照宮より800年以上も前から 聖地日光を見守る寺社です)
 お堂、塔、15ある支院の総称を輪王寺と呼び 輪王寺の建造物は日光山内に点在しているのですが 三仏堂と呼ばれる本堂は 日光山内で最大の建造物で中心的存在となっています。
 三仏堂とは千手観音 阿弥陀如来 馬頭観音の三体の本地仏を祀ったお堂です。(三仏堂内部は写真撮影厳禁ですが 金色に輝いた迫力ある三仏に感動)
4/2に山盛りのご飯を食べる強飯式は ここで行われます。
天台宗三本山の一つとして 輪王寺の最盛期には109もの寺があったようです。

護法天堂と護摩堂(写真左、写真下2点)
不動明王を本尊とし 護摩祈祷が行われます
宝物殿 →右から2つ目の写真(内部写真撮影厳禁) 
 ここが古くから山岳信仰の場として栄えた事 
江戸時代に天海が貫主となって 繁栄を極めた事などが分かります。
1200年余の長い歴史の中で宝物は6000点
国宝が1件、重要文化財が48件もあります。
逍遥園
 池泉回遊型庭園で 江戸時代に出家した宮様を慰める為に造られました。江戸初期の造園ですが文化年間(19世紀初頭)に大改造を受け その時儒学者の佐藤一斎によって逍遥園と名が付きました。
 鶴亀の中の島や岬が変化を見せてくれ 季節の花が彩りを添えます。
  表参道を歩いて 五重塔
 広い参道(表参道)を歩いて 日光東照宮に向かいます。
高さ9mの石鳥居から日光東照宮境内になります。

 まずは境内の売店が並ぶ所で一服しましょう。

厳かな雰囲気が増し そして観光客も多くなって 
いかにも名宮といった雰囲気となってきました。
左手を見ると五重塔が聳え その奥はいよいよ日光東照宮表門です。

五重塔 高さ36m 初層に十二支の動物が彫刻されているのが日光らしい。
小浜藩主・酒井忠勝が寄贈したもの。
  日光東照宮
 「日光山に小さな堂を建てて勧請し 神として祀ること」と遺言を残した
徳川家康を祀る社殿として有名ですが 
約49,000uの敷地面積に 55棟の建築物が建っています
 三代将軍徳川家光の「寛永の大造替」の際 各藩に出費させる目的もあって費用お構いなしで 大改修され
江戸初期の建築の粋を集めて 今日に残る姿となりました。
陽明門付近は観光客でいっぱい 唐銅鳥居は日本で最初に造られた青銅の鳥居です。
神厩舎
見ざる言わざる聞かざるの三猿で有名。
神様に仕える馬が務める厩舎
猿は馬を病気から護ると言われ 大事に
されていました。実際には8枚の絵で
人の一生を描いているのです。
水盤舎
手と口を清める為の建物を備えたのは
東照宮が最初です。 1618(元和4年)
佐賀藩鍋島家が寄贈
花崗岩の水盤にサイフォンの原理で水が
噴きあがり 水にちなむ彫刻で装飾。


三猿や眠猫、そして花、霊獣などの
彫刻が素晴らしいです。
 「寛永の大造替」で大改修が行われ 絢爛豪華な神宮となりましたが
精緻で沢山の彫刻を施し 360年経た現在でもびくともしないものが 
僅か1年5ヶ月の短期間で行われた と聞いて驚嘆しました。
  (総工費は金568,000両 銀100貫匁 米1000石)
左右にある二層の建物は 右が鐘楼(釣鐘を収める) 左が鼓楼(太鼓を収める)
動物や霊獣などの数多くの彫刻が見られます。
外国からの献納品もあり 寛永年間(0622〜1644)にオランダの東インド会社からのものも。
 
陽明門
 高さ11.1m 幅7mの門は 東照宮のシンボル的存在で
全体に彫刻が散りばめられているのが印象的です。
この下は記念撮影の絶好ポイントですから 私もパチリ。竜、麒麟ほか 194体の霊獣や花鳥の彫刻が施されています。
 陽明門の霊獣彫刻で最も多いのが唐獅子で 圧巻でしたね。
家光は祖父を敬愛し 幕府の威光全てを注いで建て直した事がわかります。

 瀬戸田の耕三寺にも陽明門を模したものがありますが あちらは瀬戸の陽光の中、そしてここ日光東照宮は荘厳さを秘めた山内。 歴史の重みもありますが これだけ重厚感が違って観えるという点が 新鮮な驚きでした。 

精緻かつ優美な彫刻 江戸初期の工芸技術の集大成
眠猫は東回廊から奥にあって別料金が必要。しかも体長21センチと小柄だそうで 今回は割愛しました。
光による陰翳は 神秘的な
雰囲気を生み出します
回転燈篭
八角形の燈篭 葵の紋が
上下逆様です。
魔除けの為逆さに立てられた
逆柱など この門にも
沢山の謂れがあります。
日がな一日見ても飽きないの
で「日暮門」とも呼ばれます。
本地堂へ向う
天井の鳴竜で有名(鳴竜は写真撮影厳禁です)
頭の下で拍子木を打つと音が反響して 確かに竜が鳴いているようでした。
(銘々が勝手に打つと分かり難いので ここでは案内人が実演してくれます)
鳴竜は1代目は焼失してしまい 現在のものは二代目だそうです。
一つ一つに込められた信仰や願い そんな意味を感じながら
東照宮を参拝しました。
二荒山神社へ繋がる上新道
  二荒山神社
 延暦9年(790) 勝道上人が 日光の3つの山の神を祭神とする本宮神社を建てたのが始まりで、日光という文字は こちらの二荒(ニコウ)山から文字を当てたものと謂われています。

 二荒山神社は日光山岳信仰の中心的存在とされ
日光山内のこちらの本社の他、中禅寺湖畔に中宮祠 男体山山頂に奥宮があります。
二荒山神社 拝殿
 正保年間(1644〜1648)に建てられ 間口約16m 奥行12mあります。(二社一寺共通拝観券で拝観できます)
ここでおみくじ(磁石を使って吊り上げる釣りみくじ)をひきました。
先ほどの東照宮と違って 華美な彫刻や文様などが一切ありませんが それがまた質実剛健を感じさせます。
境内には御神木として祀られた巨木も多いです。
ここは縁結びの笹 縁結びの御神木などがありますから 
縁結びに訪れるには絶好なのでしょう。
  輪王寺大猷院
二荒山神社を降りると 常行堂と法華堂が見えてきました。

常行堂と法華堂の創建は円仁で、唐で修行法や密教などを取り入れました。
嘉祥元年(848年)に来山し、それ以降天台宗寺院としての歩みを始めます。現在のお堂は江戸時代のものです。
   下写真の手前が常行堂 奥に見えるのが法華堂 

輪王寺大猷院

 大猷院とは 徳川家光からの法号で 死んだ後も東照大権現にお仕えするという家光の遺言によって 家光の墓所があります。
 境内には、世界遺産に登録された22件の国宝・重要文化財が、
杉木立の中に佇んでいます。

 ここは二社一寺の中でも 最も地形の険しい場所にあって 
家光の意向で華美にさせなかった事で 装飾は東照宮に較べると控えめな事もあり 最も自然との調和を感じた寺社でした。

 仁王門を経て 仁天門 それから階段を上り夜叉門を経て 唐門 拝殿 本殿があります。
 5つもある門と その随所に見られる精緻な装飾は見応え充分で 上に登り門をくぐるたびに変わる景色は 人間界から天上界へと登るような印象を与えてくれました。

仁王門
大猷院の入口で第一の門。 間口8.2m、奥行き4.6m。

両側の仁王様が大猷院の入口を護っています。
両妻流破風造で ここをくぐると校倉造の宝庫と御水舎が見えます。

仁天門
四天王のうち2体を祀っています 日光山内では最大の門で
正面には持国天と広目天
裏面には風神と雷神が祀られており 門の上の扁額の「大猷院」は後水尾上皇の筆
大猷院とは大きな仕事を成し遂げたという意。
夜叉門
 その名の通り 霊廟を護る4対の夜叉が門の四方に配置されています。(鳥摩勒伽、鍵陀羅、毘陀羅、阿跋陀羅)
 夜叉の体の色は東西南北を現す赤白青緑で 豊かさを印す牡丹唐草の彫刻で埋め尽くされているのも 印象的です。
 東照宮より歴史が新しい分、細部まで技術が結集されていると云えます。霊廟建築の代表だけに 誰が見ても荘厳さを感じられると思います。

 大猷院の5門全てに共通しますが 朱と黒と金に塗り分けられた美しい色彩が 印象的です。
 先祖である家康公の廟所(東照宮)を凌いではならないという家光公の遺命で 金と黒を基調に華美な装飾は控えられています。
それがまた周囲の杉並木と相俟って 重厚かつ神聖な佇まいを感じさせてくれました。
唐門 正面の目貫の白竜 天井の花の装飾など 繊細です。

拝殿(内部は写真撮影厳禁ですが) 64畳の広さがあり
天井には紺地に金で描かれた 狩野一門による140の竜の姿 必見です。
 もう一度 日光山内で 歴史的な重要人物をまとめてみると....
日光山の開基は 奈良時代の僧 勝道上人
日光東照宮で祀られているのは 徳川家康
家康を敬愛し輪王寺大猷院に墓所がある三代将軍徳川家光

 イベントとしては 4/2に山盛りのご飯を食べる強飯式
5/17、5/18に春季例大祭(東照宮最大の祭りで 百物揃千人行列が開催)等が行われます。

 日光の味覚といえば湯波で 湯波は1200年前に中国から伝来しました。
精進料理から始まり 日光では 巻いてから揚げた揚巻湯波が主流です。
豆乳を加熱した時に表面に出来る皮膜を引き上げて作り
大豆の良質なたんぱく質を豊富に含んでいます。
 東日本で第一級の歴史的建造物群である事はもちろん 
周辺の自然環境と合わせて 丁寧に保護されていると感じました。
今回の私の旅では 歴史を学びながら じっくり見れたとは思いますが
時間があれば 今度は中禅寺湖の方も足を伸ばしたいですね。


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