沖縄本島北部 今帰仁村にある 世界遺産・今帰仁城址に行ってきました。

琉球王国時代の歴史と文化を伝える遺産として 本島に9つの遺産が登録されています。
グスクとは沖縄方言で「聖所 城」の意味です。
 

 丘の上にあり眼下に東シナ海が広がる大展望地にあるこの城址は 城壁を有する城としては、日本最古と云われ
中国や東南アジアの陶磁器が多量に発掘され 交易もあった記録も残る城址です。

 明確な年代や誰によって築かれたか その歴史は不明な点が多いのですが この城は13世紀頃から築かれたとされています。
入城券売り場 グスク交流センター前にて
大隅 (ウースミ)
左側部分にあたり 戦馬を訓練した場
最も高い石垣が築かれた堅牢な城郭
入口付近は2つの石碑がありますが
右の石碑は復帰直後に県教育委員会
が設置したもので 当時は“史跡でした。
  今帰仁城址は緋寒桜の名所ですが
  城壁が野面積で隙間があるためか
  桜以外にも様々な植物が見られます
 別の名を北山城と言いますが、琉球王国が成立する前の琉球は、北山、中山、南山の小国家が3つ並立し対抗していました。
北山国王は今帰仁城を拠点に 本島北部を支配していましたが 1416年に中山の尚巴志に滅ぼされ 1622年以降は監守の居城として利用されました。
 1609年の薩摩侵攻で城は炎上、監守が住まなくなってからは御嶽という精神的拠所のような存在になって 長い歴史を刻んでいます。
平郎門  門の両脇に狭間があり門番が見張る場所です。昭和37年に修復されました。 屋外模型を見ると相当な規模
主郭(俗称本丸) 上写真4点すべて 城内で最も中心的な建物があったとされる場所です。
展望地にあたる場所近くには 御内原と呼ばれる女官の生活の場があり 神聖な場所でした。
 主郭から階段を降りた低いところに 志慶真門郭があります。
こちらは城主に仕えた身近な人々が住んだエリアのようです。発掘調査で 志慶真門のほか4棟の掘立柱建物があったことが分かっています。 
 裏門にあたる位置で戦略上重要な所だったのでしょう 渓谷を利用して築かれた天然の要害となっていました。
ここから眺める城壁は原形に近い形で残っており、当時の城技術を知る上では 外せないスポットです。
古い石垣も計算されたように美しい曲線 その向こうに東シナ海が広がります
遠くに見える東シナ海が絵に描いたような絶景で、
感動しました。さすが世界遺産!
(上の写真の石垣は 実はまだ左にも続いています)

 緑の中、そびえ立つ石垣の城壁を見ながら、吹き抜ける風に当たっていると、遠い昔の人たちの想いが伝わるような…
不思議な気持ちになれます。

 沖縄の城は、その発生過程から宗教的性格が強いのですが
周囲の木々も魂が宿っているかのように、ひっそりと私たちを見守ってくれるような雰囲気があり 御嶽という精神的拠所のような存在になっている事を再認識しました。

 今帰仁城は規模の雄大な石垣がよく残り、屏風型の曲線を描いて美しく 沖縄一の名城といっても過言ではないと思います。
主郭方から志慶真門郭を見下ろす 志慶真門郭へ降りる階段より
万里の長城を思わせます 中国築城技術がこんな所にも 渓間を利用して築かれた 天然の要害に志慶真門郭
 別の名を北山城と言いますが、琉球王国が成立する前の琉球絶壁上に よくあのような石垣を積みあげたものと感嘆しました。

 今帰仁城跡の石垣は 野面積という積み方で 石材を綺麗に加工するのではなく 自然石をそのまま使いながら屏風型に美しい曲線を描くように積上げてある点に大きな特色があります。

 13世紀末に孤島の沖縄に 既にそれだけの土木築城技術や 道具がよく揃っていたと感心する傍ら 北山国王の(それだけの人員を結集出来た)権力の大きさ を窺い知る事が出来ました。

 今帰仁城址自体は広大で 石垣の総延長は約1.5kmですが、歩いて回れる城址は極く一部に過ぎません。

非常に高低差があり階段あり!で 一寸としたハイキングのような雰囲気ですので
スニーカー等 歩きやすい靴での登城が楽で良いと思います。
大庭から平郎門に通ずる
七五三形式の階段式の参道
徒歩の兵隊が攻める場合
守勢側がかなり優位に立てると感じます
城跡の北東から東側は断崖絶壁で、
下には志慶真川の清流が流れています
 これだけの素晴らしい世界遺産ですので もちろん定期観光バスの周遊地にもなっており
この日もツアー客一行が感嘆の声を上げていました。 
バスツアーだと 平均で50分程度の周遊観光となりますが
資料館は割愛して城址だけ見るのであれば 50分程度で一応全部見て回れる といった処でしょうか。
それでも 今帰仁城跡は良いですよ! お薦めします。
 バスツアーではなく 個人でレンタカーを借りてきた という人でも
ボランティアガイドがおり、無料で 琉球の歴史、今帰仁城の成立ち 聖所などを
歩きながら案内してくれます。 →ガイドと歩く今帰仁城跡

 更に詳しく知りたい方は 隣接する「今帰仁村歴史文化センター」で 
歴史や文化を学ぶ事が出来ます。
今帰仁城跡の入場料(大人400円)は 「城跡と歴史文化センター」の合算料金になっており
先に今帰仁城跡を見た人でも 券片を見せると入れます。
今帰仁城跡は 遺跡の景観や環境に配慮して ゴミ箱が設置されていません。
飲食物を持ち込んだ場合は必ず空き容器を持ち帰り 世界遺産の美化保全に努めましょうネ!。
 


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