平戸市は、長崎県と九州本土の市としては最西端に位置する町で 人口は約3万人。
旧平戸藩松浦氏の城下町で、鎖国前は中国やポルトガル、オランダなどとの国際貿易港として栄えました。

 貿易港としてヨーロッパの国々との交流が行われた当時は「西の都フィランド(Firando)(平戸)」と呼ばれ 今も町の各所に当時を偲ぶ史跡が残され、美しい教会が存在するキリシタン文化の町でもあり 異国情緒を漂わせています。

 また平戸藩の城下町でもあったので、平戸城や松浦史料博物館などの重厚な史跡を見る事が出来 東シナ海に突き出た地理的環境により海産物なども豊富で グルメも満喫出来る町でした。
   
  平戸オランダ商館

 オランダ東インド会社が、平戸城主・松浦隆信公の導きによって平戸に設置し、東アジアにおける貿易拠点としていました。

 1609年、平戸港に土蔵つきの住宅1軒を借り、
その後、貿易が拡大するに従い1612年頃から海岸を埋め立てて
住宅や倉庫、井戸、果樹園などを作ったようです。

 跡地は「平戸和蘭商館跡」として国史跡の指定を受け、本格的な発掘調査が開始されました。

 現在の平戸オランダ商館は 1640年頃のオランダ商館の建物を復元し、2011年9月誕生の 比較的新しい観光施設です。
    所在地 〒859-5104 平戸市崎方町2477
        公式サイトURL http://hirado-shoukan.jp/
 内部は2階建てで 1階は次の7コーナーに分かれています
   海外交流前史
   オランダの大航海時代
   平戸オランダ船到来
   和蘭商館の全盛期と落日
   復元・和蘭商館
   1639年倉庫の徹底解剖
   和蘭商館の役割とその後の平戸国際交流

 商館時代にまつわる品々や、当時の様子を伝える資料など 充実しています。
商館施設として充実した1640年頃の時代は、江戸時代初期の国際貿易、キリスト教の布教・禁教など、
わが国の対外政策の歴史を考える上でも重要な時期にあたります。
 

 平戸オランダ商館は 東アジアへの交易活動を支える拠点としての機能を期待されたため
食料や武器などを調達する機能が優先されていました。
1610年代には、大砲修理なども平戸でおこなわれ、
武器や食糧、また傭兵としての日本人がオランダ船に乗って東南アジアへ渡っていたとの事です。

平戸の海外交易の歴史


 九州西北という地の利の良さから 平戸には既に1550年にはポルトガル船が来航していました、 そして領主の松浦氏から商館の設置を認められ、交易が始まりました。
 ただ松浦氏はキリスト教の布教は認めておらず、ポルトガル人は1570年に 平戸を諦めて 代わりに長崎を領主大村氏から許可を得て寄港地としました。ポルトガルより遅れましたが 隣国スペインも1584年に平戸に商館を設けました。

 次に1609年 ネーデルラント連邦共和国(オランダ)の東インド会社の商船が入港し、1619年からはバタヴィアの出先機関として日本との交易にあたりました。1613年にはイギリスの商船が入港して、平戸に商館を設けました。こうして平戸は欧州4ヵ国の対日貿易拠点として、多くの商船が出入し繁栄したのです。

 しかし1616年には 中国船以外の外国船の入港は 平戸と長崎に限定する措置がとられ、イギリスは1623年に日本との貿易から撤退、更には江戸幕府の鎖国政策も徐々に進行し、24年にはスペイン船の来航が禁止されました。
 1634年にポルトガル商館は長崎出島に移され、更に1639年には来航が禁じられ、1641年には平戸のオランダ商館も長崎出島に移されたため、平戸の貿易港としての繁栄は終焉を迎える事となりました。  

 平戸のオランダ商館は1609年から1641年まで活動を続けましたが オランダ商館の長崎出島への移転で、平戸藩の財政は大きな痛手を被ることとなり、平戸藩も内政の改革を余儀なくされたといわれています。

 平戸のオランダ商館は、東洋各地の商館の中で最高の利潤を
上げたようですが 宗教上の軋轢を生んだポルトガルと違い、
オランダは交易のみの方針をとっていたからです。
館内では素敵なお土産が一杯!
平戸には欧州から伝わったお菓子も!
オランダ井戸も復元されています。   オランダ埠頭は商船の船着場として、商館員、船員の乗り降り、
  積荷の揚げ降ろし運搬の重要な施設でした。
海の町・平戸の歴史を体感するスポットですが、平戸瀬戸をのぞむ景勝地ともなっており
平戸に行く機会があれば 是非立ち寄りたい所だと云えます。
  聖フランシスコ・ザビエル記念聖堂
 平戸オランダ商館に続いて、聖フランシスコ・ザビエル記念聖堂を訪問しました。平戸港の交流広場に車を停め そこからは 約10分程度 階段と坂を登って到着です。

 別名 平戸カトリック教会とも呼ばれています。教会の保護者は大天使聖ミカエルですが、聖フランシスコ・ザビエルの3度の平戸訪問を記念して 1971年(昭和46年)にザビエルの像が聖堂の脇に建てられた事から 「聖フランシスコ・ザビエル記念聖堂」とも呼ばれるようになり、その後、現在の名称に改められました。

 鉄筋コンクリート造りで、正面中央に巨大な尖塔と小尖塔が林立しています。その形式は、ドイツのゴシック教会の特徴があると云われます。
 外観とその佇まいは とにかく美しいと感じます。
エメラルドグリーンっぽい色に塗られている 左右非対称の建築教会は 初めて見ましたが こんな人が少ない地域にこほど美しい教会があるとは....
ステンドグラスや庭の花も綺麗で、入口横に手作りのしおりが売られており、良い記念になります。

教会の内部は、正面の入り口から靴を脱いで見学可能で、
白を基調とした内部平面は三廊式です。
 中に入れば 思わず黙祷したくなる厳かな雰囲気があります。教会のスタッフも親切でした。
時間によっては 礼拝が行なわれていたりして中に入れない事もあるので、曜日や時間帯を見計らって行く事ををお勧めします。

 教会が多い平戸(人口3万に対し14か所もカトリック教会がある)の教会の中で 最も美しく荘厳なイメージを持ちます。

夕方から22時まではライトアップもされ 淡い緑の建物が壮麗に浮かび上がるとか....。入館無料なのも嬉しい!

 教会から坂を少し下った所に、教会と寺と神社が一緒に見られる場所があり、「寺院と教会の見える風景」の撮影スポットともなっています。

 海を見下ろす丘の上に建つ教会で 眺めも良く
フランシスコ・ザビエルが3度布教に訪れたという平戸。
お城、教会、オランダ商館と文化が融合した美しい景色の街が好きになりました。
平戸の歴史が民の悦びと哀しさを感じさせる町、また訪れたいと思います。

  聖フランシスコ・ザビエル記念聖堂
     場所はこちらです→ 平戸市鏡川町269-1
  平戸の中心部を散策

 平戸オランダ商館に、聖フランシスコ・ザビエル記念聖堂に続いて
平戸の中心部を散策しました。平戸港交流広場に車を停めました。
平戸港
 かつては南蛮貿易の港で、その後は松浦半島との間を結ぶ航路や、生月島などの島々とを結ぶ航路で栄えていたようです。
今は平戸大橋や生月大橋の開通で寂れた部分もありますが やはり海上交通の要。

平戸港交流広場
 フェリーや漁船が行き交う平戸桟橋の隣に位置しています。
敷地内には、ジャガタラ娘像やカロヨンの鐘、門の字を形どったモニュメントもあり、観光に相応しい憩いの場です。
 海沿いにはボードウォークも広がり、散策に好適




平戸観光の拠点といえる施設で、路線バスのターミナルも併設され
散策マップや観光情報が得られますし ここではレンタル自転車を借りる事が出来ます。
平戸のメインストリート 崎方・浦の町・宮の町界隈
 平戸の港町エリアには 江戸時代後期から昭和初期にかけて建てられた建物が 割と良好な状態で残されており、切妻の瓦屋根や軒を支える持送り、窓を飾る格子など混然一体となって独特の景観を作り出しています。

平戸城
 江戸時代には平戸藩松浦氏の居城でした。別名亀岡城とも呼ばれます。市街東部に位置し、対岸の九州本土を望む平戸瀬戸に突き出た丘陵上にあります。平戸港を見下ろす格好で 三方を海に囲まれ天然の堀としています。
 丘陵の頂に本丸が築かれ、その南側に二の丸、東側に三の丸が配された梯郭式の平山城です。
最初は 安土桃山時代末期に松浦鎮信(法印)によって築かれましたが 破却され、江戸時代中期になって再建されました。
平成18年4月6日、日本100名城に選定されています。
平戸瀬戸と平戸大橋

 平戸瀬戸は、長崎県平戸市の平戸島の北部と九州本土(旧北松浦郡田平町)を隔てる瀬戸で、南北約3.5km、幅は最も狭い所(平戸大橋付近)で約500m。

 幅が狭く潮流が速く(最大6.5ノット)、九州北側沿岸と西側沿岸の各港を結ぶ最短経路で
船舶の通航量が多いため 船舶航行の難所の一つでもあります。
 橋は全長665m、トラス吊橋構造で主塔間465.4m、幅10.7m、海面上30mに吊られており
昭和52年に完成しました。

 平戸大橋を渡って 平戸島から九州本土へ戻ります。
この橋は自動車の通行が無料なのも嬉しい!
  平戸瀬戸市場
 九州本土へ戻ると そこは平戸口(田平)エリア。
平戸の旅の締めは、こちらにある「平戸瀬戸市場」に立ち寄って 
名産の海産物を買い求めたり
ご当地グルメの平戸の海鮮、平戸和牛ハンバーグなどを楽しみました。
 (防府の海鮮市場のような趣で 2階がレストラン 1階で地元産品などが買えます)
 1階は、観光インフォメーションスペースと、物産販売・農水産物直売コーナー。
朝採れ野菜や果物、米、精肉、その日に水揚げされた鮮魚、各種加工品や
お土産まで沢山の地元の品々が並んでいました。

 2階は、展望デッキ付きレストランと 展望テラスからなっており
新鮮な魚介類や旬の野菜を使った料理が楽しめました。

 私は平戸和牛を贅沢に使った「平戸和牛のハンバーグセット」を選択、
連れは「平戸海鮮丼」を選択
2012年2月営業を開始した新しい施設だけに 綺麗でスペースも広いのがGood! 
平戸大橋と平戸瀬戸を望む 
絶好のロケーション
 
   平戸瀬戸市場公式サイト  
     http://www.setoichiba.com/
 青い海と青い空が眩しい 西海路の爽快ドライブ、
平戸島と生月島は ハッと息を呑むような光景が所々に展開しています。
皆さんも 潮の香りに誘われて 平戸まで足を伸ばしてみては如何でしょうか.。
目の前に平戸瀬戸が広がり、客室は全室オーシャンビューです。珍しい水族館風呂や海眺露天風呂が人気。観光にも便利です!

西九州最大の露天風呂。400坪の18個のお風呂の村

平戸港の高台に位置し交通・観光に便利です。自慢は露天風呂。平戸城・平戸港を望みながらゆっくり浸れます。

すべての客室から平戸瀬戸の海が眺め、新鮮な刺身・寿司・カニ盛りや和洋中のバイキング料理が自慢の宿です。(夕食時飲み放題)
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